「水泳肩」~原因と改善方法~快適なクロールやバタフライ生活へ

こんにちは。joyplus.桜宮の溝端です。

今回は、生涯スポーツである水泳において、

クロールバタフライ泳ぐことで痛みが出るスイマーショルダーについてお話したいと思います。

基本的には保存療法で軽減できる疾患です。これからお話しする内容を参考にしていただき、トレーニングやストレッチを実践していただければと思います。

スイマーズショルダーは、スイマーによく見られるオーバーユース(使いすぎ)の症状で、様々なことが原因で起こります。

軽い痛みからインピンジメント、滑液包炎、あるいは腱板断裂まで、さまざまな状態が考えられます。

正しい泳法を理解し、維持することは、そもそもスイマーズショルダーを防ぐだけでなく、タイムアップにつながることさえあるのです。

さらに、エクササイズやストレッチを、リハビリテーションや通常のトレーニングプログラムに取り入れる必要があります。

ローテーターカフの筋肉を強化し、肩、胸、背中のストレッチに重点を置くことで、

慢性的なスイマーショルダーに悩まされる可能性を大幅に減らすことができるのです。

水泳中に正しい姿勢を維持することも、水泳肩の痛みを軽減するのに有効です。

水泳肩とは (スイマーショルダー)とは

水泳肩(SS)は、クロールやバタフライストロークなど、

肩関節を広範囲に動かす水中競技の主流技法に起因する炎症性または断裂性の疾患である。

SSの主な原因は、水中での活動中に上腕骨の腱板部分が削られることです。

男性は腕力が強いため、女性よりもこの症状が出やすいと言われています。

SSの一般的な症状としては、水泳時や日常生活時の痛みのほか、肩や肘の違和感があります。

肩の痛みの原因を探るチェックポイント 

肩の痛みの原因を探るチェックポイントは以下の4つです

  1. インナーマッスルトレーニングをちゃんとできているか?
  2. 肩のストレッチがちゃんとできているか?
  3. 肩甲骨がちゃんと動いているか?
  4. 胸椎がきちんと稼働しているのか?

インナーマッスルトレーニングをちゃんとできているか? 

正常な肩は、インナーマッスルとアウターマッスルの2つの筋肉がバランスよく動くことで成り立っています。

このバランスが悪いと、腕の骨が回転する中心がぶれ、上腕骨頭と肩甲骨の位置が微妙にずれて、ぶつかり合う部分ができてしまいます。

これは、インナーマッスルのトレーニングを行わずに、ベンチプレスなどのアウターマッスルばかりを鍛えていると、起こりうることです。

アウターマッスルを使いすぎると、姿勢の悪さや緊張、違和感、可動域の減少につながります。

これを放置しておくと、歪み→断裂→休息→歪みのサイクルができてしまい、断ち切ることが難しくなります。

インナーマッスルとアウターマッスルのアンバランスを自覚し、改善することが重要です。

そのためには、インナーマッスルとアウターマッスルのエクササイズを同数行うようにすることが一番です。

インナーマッスルのエクササイズには軽い重量でより多くのレップ数を使用し、

アウターマッスルのエクササイズには重い重量でより少ないレップ数を使用します。

こうすることで、すべてのバランスが保たれ、ケガのリスクを減らすことができます。

また、ストレッチは、運動前の準備運動として、また、筋肉のバランスを整えるために非常に有効です

肩のストレッチがちゃんとできているか? 


肩が中心からぶら下がることなくきれいに動くためには、関節を包む袋と筋肉の腱が動きに合わせて伸びる必要があります。

運動後のクールダウンやストレッチを適切に行わないと、この部分が翌日も硬いままになってしまいます。

そうすると、肩の動きにブレが生じ、痛みや関節の内側を傷つけてしまうこともあります。

腕と体幹を別々に動かすことは避けるなど、無理のない正しいストレッチ方法を知っておく必要があります。

腕と胴体を別々に動かすのは避け、同じ方向に肩を伸ばすことを意識して、ゆっくりとした動作で行います。

また、それぞれのストレッチが肩に与える負担や圧力を意識しながら、角度やスピードを変えて行うことが大切です。

ストレッチを繰り返すことで、肩こりや負担が軽減され、柔軟性が高まれば、より自由に動けるようになります。

時間をかけ、注意深く観察しながら組み合わせ、緊張のない完全に機能する肩に向かって正しい方向に進んでいくことができるでしょう。

肩甲骨がちゃんと動いているか? 

右腕を上げると、肩甲骨は正面から見て時計回りに回転します。

肩関節の軌跡は肩甲骨の一部なので、この回転によって軌跡が下向きに回転し、しっかりと腕を支えることができるのです。

しかし、この回転が悪いと、骨頭が軌道から外れそうになり、肩が不安定になります。

これを改善するために、肩の右側を重点的に強化するエクササイズがあります。

この部分を強化することで、骨頭が望ましい軌道にしっかりと固定され、安定性を得ることができます。

右手に持つ重さを増やしたり、ローテーターカフのエクササイズをしたりと、さまざまなエクササイズがあります。

悪い姿勢は肩の筋肉のバランスを崩し、骨頭が変位するリスクを避け、エクササイズ以外にも、肩の不安定性を避けるには姿勢が重要です。

そのため、腕を使った運動をするときは、必ず良い姿勢を心がけましょう。

立ち姿勢を意識して、右肩が左肩より下がらないように気をつけましょう。

一貫したケアによって、肩関節は安定した状態を保ち、どんな身体活動も妨げないようにすることが可能なのです。

胸椎はきちんと稼働しているのか? 

クロールでは、リカバリー時に肩関節を無理に動かすと、スイマーズショルダー(水泳肩)と呼ばれる腱の炎症などの問題が起こりやすいため、

ローリングによって肩への負担を軽減することが重要である。

水泳選手は腕を一定の角度で伸展しながら体を回転させることに集中し、可動域を十分に確保し、肩甲骨を安定させる必要があります。

さらに、ローリングで体を傾けると、波が発生する領域が狭くなり、波を作る抵抗が減り、スピードが上がりやすくなる。

さらに、ロール中は腹筋や腹斜筋を使いながら、体を水面から少し浮かせるようにします。そうすることで、

抵抗が減り、さらに体の回転数が上がり、波打ち際の抵抗に打ち勝って、より速いスピードで泳ぐことができるようになる。

最後に、体を後ろに倒しても、頭は背骨と一直線になるようにして、水中でのリズムとストリームラインを維持する。

こうすることで、水中での最適な体勢を確保し、効率的な推進力を最大化することができる。

ローリングはクロールの命 

ローリングとは、手で水を突っ込むときに、肩の動きに合わせて体を左右に傾ける動作のこと。

リカバリーを行う人の肩が上になれば、反対側のプルを行う人の肩は下になる。

クロールでは、ローリングによって次のような効果が得られます。

クロール泳ぎでは、リカバリーの際に肩関節を無理に動かすと、腱の炎症などが起こりやすく、ローリングで肩への負担を軽減することが重要です。

さらに、ローリングを行うと、肩関節は直線的ではなく、より自然な弧を描くように動くため、肩の疲労を最小限に抑えることができます。

さらに、通常、スピードが上がると、水面で発生する造波抵抗が大きくなり、スピードが抑制される。

しかし、ローリングで体を傾けると、波が発生する領域が狭くなり、抵抗も減るため、スピードが上がりやすくなる。

効率よく練習することで、体勢を整え、1回のストロークで到達する距離を伸ばし、エネルギー効率のよい泳ぎを実現することができる。

ローリングは膝から行うことが重要で、一定でないと効果が半減します。

ローリングはクロールに欠かせない動作なので、普段の泳ぎから意識して身につけることで、効果を最大限に発揮し、結果を出すことができます。

水泳肩に対するストレッチとトレーニング

肩甲骨や胸椎などの安定性が低下することで姿勢の乱れに繋がり症状が出やすくなるため、トレーニングも必要になってきます。

小胸筋のストレッチ 

  1. 壁に伸ばしたい方の肘から手をつけます。
  2. 体をひねるように体重を前方にかけます。
  3. 20秒から30秒キープします。呼吸は止めないようにしてください。
  4. 肩の前から胸にかけて伸びている感覚が出るように伸ばしてください。

タオルラットプルダウン 

  1. タオルを肩幅より広めに持ちます。
  2. 脚を肩幅程度に広げて立ちます。
  3. 背筋を伸ばして腹筋に力を入れます。
  4. タオルを左右に引っ張り合いながら持ちます。
  5. タオルを持った手を頭の上から背面に回します。
  6. 肩甲骨を意識しながらゆっくりと手を下ろしていきます。
  7. 15回×2~3セットを目安に行う

胸椎ローリングトレーニング 

  1. 四つん這いで行います。
  2. 胸を張り、肩甲骨を少し寄せた状態を作ります。
  3. 片手を真横に挙げます。
  4. ゆっくりと胸椎を回旋させ体を捻っていきます。
  5. 20回×2~3セットを目安に行ってください。

水泳肩の症状と原因 

水泳肩の主な症状は、水泳時の肩関節周囲の違和感で、これが悪化して肩関節後面を中心とした痛みになります。

やがて内旋を維持できなくなり、安静時にも痛みが生じます。

また、肩峰下滑液包が炎症を起こしている状態で激しいトレーニングを続けると、痛みが増すだけでなく、

腱板が断裂する可能性もあるので注意が必要です。

腱板断裂が起こると、腕をひねるときに痛みが強くなり、肩がスムーズに上がらなくなるだけでなく、筋萎縮により見た目に出る左右差が特徴です。

クロールやバタフライは、腕を連続してストロークすることで推進力を得る泳法です。

そのため、1回の練習で数百回の肩関節の動きが発生し、他のスポーツに比べて肩を酷使するスポーツと言えます。

特にクロールは、片方の腕を水面から上げ、少し後方に上げてはまた水面に戻すという動作を繰り返しますが、

この動作で高い推進力を得るには、片方の腕を水面から上げ、少し後方に上げ、そしてまた水面に戻すという動作を繰り返す必要があります。

高い推進力を得るためには、肘を高く上げることが重要で、そのために肩関節は内旋位になります。

内旋状態の肩関節では、肩関節を構成する上腕骨の大結節と、

そこに付着する上腕二頭筋、棘上筋、棘下筋などのローテーターカフが衝突し、ローテーターカフの機能低下と筋力の低下が起こります。

筋力が低下した結果、手を伸ばす、髪をとかす、重りを持つ、歯を磨くなどの動作が困難になります。

症状が進行すると、ボタンを留めるような軽い家事でさえも困難になります。

治療のために患者が最初にすべきことは、肩関節の回転を必要とするすべての活動を制限することによって、肩関節を休ませることです。

炎症を抑えるために、1日2回、約15分間氷嚢を当てます。理学療法と強化運動も、症状の進行を防ぎ、肩関節へのさらなる外傷を避けるために有益です。

場合によっては、非ステロイド性抗炎症薬やステロイドが不快感を軽減するために必要となることもあります。

日常のケアで痛みの出にくい体づくりを・・・

さて今回水泳肩の原因や病態からストレッチ・トレーニングまでをお話ししましたがいかがだったでしょうか?

正しい体の動かし方や日頃からストレッチやトレーニングを行い症状の出にくい体づくりを行いましょう。

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