腰痛はココロから?! ~腰痛に関係する心理的要因とは~ 

こんにちは。joyplus.鍼灸整骨院の“通称きん爺”こと堤です。(筋肉をこよなく愛する中年セラピストで、きん爺と呼ばれています。)

皆さん、第5回WBCはテレビで観戦されましたか?「大谷選手ではじまり、大谷選手で締めくくった」結果、侍ジャパンは3度目の世界一に導かれました。

たくさんのドラマがあり、日本中が熱狂した数日間でした。

その大谷選手はプレーだけでなく、ココロに残る「言葉」をたくさん残してくれました。

決勝・米国戦のロッカールームで務めた声出しが名言過ぎると話題になりました。「憧れてしまっては超えられない。

僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日1日だけは憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こうっ!」。

チームメイトを鼓舞し、最終回は自らマウンドに上がって見事胴上げ投手に…。

侍ジャパン、夢と感動をありがとうございました!! 

私たちもたゆまぬ努力を続けていれば、何かを成し遂げられるはずと、たくさんの元気・勇気をもらいました。

腰痛もしばらくどこかへ飛んで行ったみたい⁉でした。

今回は腰痛の正体とココロとの関係に迫っております。さあ参りましょう。

腰痛の正体とは?

腰痛のお話をする前に、皆さんは腰痛を経験されたことはありますでしょうか? 

おそらく一度は経験された方が圧倒的に多いと思います。

まずは国民病と呼ばれる腰痛について明らかになってきたことを説明致します。

4本足の動物と違って、人間の脊椎は歩いている時や動いている時は垂直になっています。

腰椎は上半身の体重を支え、座っている時は体重を骨盤へ伝え、立っている時や歩いている時は体重を両足に伝えます。

このように腰椎は、上半身と下半身を繋げて脊髄を保護し体重を支えるという機能を果たしています。

人間の進化とともに脊椎が水平から垂直へ変化してきた中で椎間板はより重い重量を支えられるように適応し、

衝撃を吸収したり、柔軟性を保つために脊椎にはいくつかの湾曲(わんきょく)が形成されました。(S字カーブ)

腰痛にはなぜ姿勢の乱れや背骨の歪みが関係するの? また、腰痛の割合は?

背骨にはたくさんの役割があり、生理的湾曲(S字カーブ)がとても重要な役割の一つです。

この生理的湾曲が乱れるとうまく体重が支えられなくなり、腰痛になりやすくなります。

「厚生労働省国民生活基礎調査の有訴受診率では、腰痛症は男女あわせて1位であり、整形外科外来患者の60%にものぼるとされています。

有病率は男性25,2%、女性30,5%であり実に日本国民の1,800万人以上が罹患していることになります。

また、45歳以下の就業不能原因の1位とされ、重大な社会問題にもなっています。

腰痛は“腰が痛い”という総称であり、腰痛という病態が存在するわけではなく

椎間板性・椎間関節性・仙腸関節性・筋・筋膜性などの構築学的支持機構の破綻はもちろん心理・社会的問題も含めて原因は多岐に渡ります。

そして、近年日本では次のようなことも言われています。

① 非特異的腰痛(原因不明)は85%とされているが、病態別に分類すれば78%は特定できる可能性がある。

■ 筋・筋膜性腰痛…17.5%

■ 椎間関節性腰痛…21.3%

■ 椎間板性腰痛…12.5%

■ 仙腸関節痛…5.6%

■ 椎体圧迫骨折…3.1%

■ 椎間板ヘルニア…6.9%

■ 脊柱管狭窄症…10.9%

■ その他(感染症、心因性)…0.6%

すべてがこのデータ通りになるほど、腰痛が単純ではないそうですが、知見の一つとして知っておきましょう。

まずは腰痛にはいくつかの分類があり、ご自身はどの分類にあたるのかを知ることが先決です。

これらのことを考えると、まずは医療機関でX線画像や(必要であればMRI…磁気共鳴画像)医師の診断、治療方針を正しく理解することが大切だと思います。

正しい立位姿勢とは?

人間が立っている時の姿勢を横から観察してみると、骨盤の直ぐ上でくぼんでいるのがわかります。

このくぼみのことを腰椎前湾といい、どんなヒトにも認められる自然なモノで、成長の過程で形成されます。

腰椎の前湾がなくなると腰痛になるの?!

腰椎前湾というキーワードは腰痛を理解するうえでとても重要です。

真っすぐに立っている時に腰椎前湾は自然に形成されますが、前湾の程度はヒトによって様々です。

そして、座った時や前かがみになった時など、腰が丸まると腰椎前彎はなくなります。

腰椎前湾がなくなる動作を何回も行ったり、なくなる姿勢を長時間続けたりすると腰痛が引き起こされる要因の一つになります。(力学的原因による痛み

良い姿勢を維持するためには??

良い姿勢を維持するための条件は以下のようになっていることが望ましいです。

力学的に安定

静止姿勢において、重心線が支持基底の中に位置しており、その位置が支持基底の中心に近いほど安定性がよくなります。

生理学的に安定

長時間にわたって同一姿勢を保持していると、静的姿勢を保持するために筋肉が動かないままチカラが入っている等尺性収縮を強いられ、筋疲労が生じます。

筋の過剰な収縮を防ぐためには、頻繁に姿勢を変えることも必要です。

また、消費エネルギーを最小に抑えることも良い姿勢の保持に繋がります。

医学的には、循環器・呼吸器・消化器・などに負担がかからない姿勢も良い姿勢の条件となります。

心理的に安定

姿勢には心理的な影響も反映されるそうです。

安定した心理状態は脊柱の伸びた良い姿勢に繋がり、不安や劣等感などの心理状態は、背中の丸まった屈曲位の姿勢に繋がりやすくなります。

美的に美しい

美の形式とは、美しいと感じる図形のパターンであり、人間の美の形式には、釣り合い(バランス)、均整、プロポーション、躍動感などがあげられます。

ちなみに、身長は頭部・顔面の長さの8倍、手の平・指の長さの9倍、足底の長さの7倍であることが望ましいとされ、

いわゆる8等身が理想となっていますが、人の好みも様々ですから一概には良いとは言えないと思います。

これらが正常に機能しあえば身体各部は正常なアライメントを維持することが可能となります。

しかし、これらのいずれかに問題が生じると、特定の関節運動の反復が生じ、

構成要素の機能障害とその相互作用によって不良姿勢や運動、動作をうまく行えない障害が進行することになります

例えば、椅子座位時の胸椎後彎・頭部前方姿勢(いわゆる背中が丸く、頭の位置が前に来る猫背)は支持基底の中央に重心線が近づくため、

ご自身は安定した楽な姿勢と思いがちですが、これは決して良い姿勢とはいえません。

楽な姿勢と良い姿勢を区別し、不良姿勢を習慣にしないことが大切なのです!

病は気から? 慢性化した腰痛はココロから??

痛みは「組織の実質ないし潜在的な傷害と関連した、あるいはこのような傷害と関連して述べられる不快な感覚的・情緒的体験である」と定義されています。

つまり、単に組織の損傷だけでなく、心理社会的因子などの他因子が複雑に絡み合い、病態を難渋させていることが知られるようになりました。

これは、痛みの要因が単に関節や筋肉、神経などの損傷や炎症などで起こる生物学的要因によるものだけでなく、

家庭や職場、学校などの人間関係、ストレス、生活への不安や恐怖などの心理社会的因子によっても影響され、複雑化してきていることを示しています。

認知を変えて痛みをコントロールする??マインドフルネス?瞑想…?

自分の状態や病気をどのように考えているかは、物事をどのように捉えるかで決まってきます。

そのため、話を聞くというカウンセリングの段階から、もう少し治療的要素を取り入れるには、患者さんご自身がどのように物事を捉えているのかを認知し、

行動を変えていくことが大切です。

そのため、物事の捉え方を理解し、その考え方に気づくことで行動を変える治療法を認知行動療法と呼んでいます。

ココロとカラダに寄り添う

今日、認知行動療法の腰痛症予防は有用なのでしょうか?

ガイドラインによれば、腰痛症に対して、患者教育と心理行動アプローチ(認知行動療法)は弱く推奨されているようです。

患者さんに対して実際に行われている教育の介入方法には 

1 腰痛学級

2 小冊子(パンフレット)

3 ビデオプログラム

4 インターネットを介した患者指導

があります。

しかし、わが国の現状において腰痛症の方に対する認知行動療法は,保険適応ではないという問題があります。

医療機関で実施されるところは費用対効果や介入の内容も研究によって異なり、対照群への介入内容(未治療待機、一般的治療など)も統一されておりません。

特に対面式認知行動療法では個々の患者さんに時間を要することから、どうしてもコストが大きくなります。      

また、集団式認知行動療法やインターネットを利用した指導ではコスト削減は可能ですが、対面式と同等の効果が得られるかどうかは不確実のようです。

個人的には研究結果が早期にまとまり、少しでも多くの悩める腰痛症難民の方々に可能性を秘めた認知行動療法が普及する日を、心待ちにしています

整骨院で、施術可能な症状には対応致します。

ご不明な点やご質問などあればLINE@やメールでお問い合わせ頂ければ幸いです。

長文、ご容赦ください。

■参考文献

 □腰痛診療ガイドライン2019(南江堂)、□内山 靖「エビデンスに基づく理学療法クイックリファレンス」(医歯薬出版株式会社)、□荒木秀明「非特異的腰痛の運動療法~症状にあわせた実践的アプローチ~」(医学書院)、□伊藤和憲「よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ」第2版(秀和システム)、□竹井 仁「正しく理想的な姿勢を取り戻す姿勢の教科書」(ナツメ社)

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