手のしびれ原因は?頚椎症の治療法、改善法を解説!

先生…最近仕事をしていると段々手が痺れてきて…

いつ頃から痺れますか?

3ヶ月程前から…

生活に支障が出ていますか?

最初は軽く痺れる位だったんですが、最近は物を落とすようになったりバイクのアクセルやブレーキが握りにくくなってきていて怖くて…

一日の中でパソコンやスマホを見る時間は長いですか?

仕事でもプライベートでも結構見てる時間が長いです…8時間以上は見てるかも…

こんにちは。joyplus.の金澤です。
この会話は私が臨床に立つ中でよくある問診時のやりとりです。
デジタル端末の普及が著しい現代社会において、パソコンやスマホの見過ぎが体に異常をきたすという現象は今となっては珍しくありません。
この記事を読んでいる方の中にも手が痺れる、変な感覚がある、触れている感覚が少ない、など様々な症状を抱えておられると思います。
症状がすぐ治るから大丈夫!とか今のところ支障がないから大丈夫!といって放置していると最悪の場合手術を行わなければ改善が難しくなってしまう方もおられます。

ただし!
予め頸椎症の知識を知っておく事、予防方法や改善方法を知っておく事で悪化を防ぎ、健康的な生活を送る事が出来ます!また最初の違和感や異常を感じる事が最も重要であり、初期症状や生活上での気付きについても触れていきます!
一人でも多くの方が頸(くび)の悩みから救われるように本ブログを書きましたので是非最後までご覧ください♪

頭を支える「頸椎」の構造と役割を知ろう

なぜ痺れが出るのか、何故パソコンやスマホを見ていると頸に良くないのか、それを紐解くにはまず頸椎(けいつい)の構造を知る必要があります。
普段当たり前に頭を支えている頸椎。脳からの司令を細いスペース集約して通り道となっている頸椎。
私たちが生活を送る上で多くの機能を担(にな)っている頸椎を深掘りしていきましょう!

知っている様で知らない背骨の構造(解剖学)

皆さんがよく聞く背骨とは専門的には脊椎または脊柱と呼ばれます。また、脊柱は椎骨とその間の椎間板、その2つを安定させる靭帯から構成されていて、積み木の様に並んだ骨同士がそれぞれ強調しあって動く事で体を曲げたり回したりする事が出来るのです。
また、脊柱は頭に近い方から頸椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個の合計24個で構成されており、腰椎のさらに下方へ仙骨、尾骨へと繋がっています。 


あまり一般的には知られていませんが靭帯についても少し触れておきましょう。
靭帯は骨同士を繋ぐ繊維の束で、脊椎に関わるものとしては前縦靭帯・後縦靭帯・黄色靭帯が存在します。


それぞれの靭帯における細かい解剖学や性質は触れませんが、テープの様な形状や薄い膜の様な形状をしていたり様々あり、積み重なった骨同士を安定させたり異常な動きをしないように補助しています。病気や怪我などでこの靭帯に異常が起こると背骨が正常に動かなくなるだけでなく体全体の関節の動きにまで関係してくるのです。

背骨の中で1番動くのは「頸椎」

背骨は24個で構成されている事を述べましたが、腰椎・胸椎・頸椎の順に動く角度が増えていきます。中でも腰椎は殆ど回旋する能力を持っておらず、頸椎が1番動く関節である事は一般的にあまり知られていません。特に1番目の頸椎(環椎:かんつい)、2番目の頚椎(軸椎:じくつい)が特殊な形をしている事によって頸椎全体で約180°回旋できるとともに、眼球運動も加えればほぼ360°見回す事が出来る様になっています。 


また椎骨同士のクッション性や動きの微調整を行う役割として椎間板が存在し(すべての椎骨の間に存在します)、骨・靭帯・椎間板それぞれの役割によって自由な動きや重たい頭部や腕の支え、脊髄(神経)を保護しているのです。

脳に1番近い頸椎の役割

首から腰まで存在する脊柱も、という最重要器官と接しているのは頸部だけで、その部分は頸髄(けいずい)と呼ばれ脳の最下の延髄(えんずい)と繋がっています。 


頸椎または頸髄が脳の出入口を支えている重要器官である事は明白ですが、頸髄を通る神経には手足に運動指令を送る神経や逆に手足の感覚を伝達する神経、血圧の安定や体温調整など体全体の調整を行う自律神経全てが通っています。
実際に頸椎部分の神経障害により、「物を落とす」「足の痺れが取れない」「排尿がうまくいかない」という事は我々臨床に立っている身としてはよく聞くお話です。
もし頸髄に何かの異常や病気があったら…と考えると少し怖くなりますね。。。

侮ってはいけない「頸椎症」の怖さ

ここまでは頸椎の構造や動き、神経伝達について触れてきました。
もし多くの機能を担っている頸椎の形や動きに異常が出たら果たして全身にどのような悪影響を及ぼすでしょうか…この時点でなんとなく想像出来ますよね…
頸の疾患にも様々ありますが、ここからは罹患数(実際に頸椎症になっている方の数)が多くタイトルにも挙げた「頸椎症(けいついしょう)」の原因や症状について述べていこうと思います。 

まず頸椎症の概要を知ろう

頸椎症とはその名の通り、首が原因となる痛みや神経症状のことを指していて、主に加齢や日常の姿勢不良等による頸椎の骨変形や椎間板の変性、靭帯の肥厚や硬化により発生します。
また、脊柱管内の脊髄に直接影響を及ぼすものを「頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)」、脊柱管の外にある神経根に影響を及ぼすものを「頸椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)」と呼びます。
それぞれの症状において個人差はありますが、頸部から手指にかけての痺れを主症状としていて、頸椎症性神経根症では痛みや痺れの多くが片側に出る事に対して、頸椎症性脊髄症では両方の手または足に痺れや感覚異常、ひどい場合には歩行困難や膀胱直腸障害などが表れます。わかりやすい様にそれぞれの症状を下に記載しておきます。

<頚椎症性神経根症>
• 頚部の痛み 


• 主に頸部の後に痛みを伴い、範囲や程度は人によって変わります。主に首の後ろの筋肉に痛みが出現する事が多く見られます。
• しびれ感・感覚異常片側の上肢(上腕、前腕、手部など人によって差異有)に痺れや筋力低下が見られます。 


• 手の知覚障害
• 片側の上肢(上腕、前腕、手部など人によって差異有)の触れられる感覚が不明瞭になる

<頚椎症性脊髄症>
• 頚部の痛み頚の後ろの部分に痛みが出ます。また、頚を後ろにそらしたときや重い荷物を持ったときに、痛みが生じることがあります。
• しびれ感、感覚異常両方の上肢または下肢」に痺れや感覚異常といった症状が生じます。
• 手脚の知覚障害脚の知覚障害が生じ、片側の上肢(上腕、前腕、手部など人によって差異有)の触れられる感覚が不明瞭になる
• 手先の細かい作業が不自由になる箸を持つ、ペンを握るなどの細かい動作が徐々に出来なくてなり、物を落とすようになります。
• 歩行障害あらゆる歩行や立位を伴う動作が行いにくくなり、蹴つまずく事や転倒など事が多くなります。


• 膀胱直腸障害排泄の機能が障害され、失禁など排泄のコントロールが出来なくなります。

☆どちらの症状も完全に症状が現れる前に、日常生活での普段とは違う違和感を覚える事が殆どなので、それに気づく事が非常に重要です☝

頸椎症の原因

基本的に頸椎症性神経根症も頸椎症性脊髄症も、頸椎を構成している椎骨の変形や靭帯の硬化、椎間板の変性が原因となって発症します。
椎骨の変形や靭帯の硬化は加齢によるものが多いのですが、実は椎間板においては20歳を過ぎた頃から徐々に水分が減少して弾力性が低下する事によってあらゆる変性が始まるといわれています。さらに現代社会における長時間のパソコン作業やスマホを見る動作によって前述した原因を助長する要因になっています。 

似たような症状にも注意 

ここまで頸椎症にフォーカスして書いてきましたが、手の痺れや首の痛みという要素においては他にも様々な疾患が紛れているので注意が必要です。ざっと頸部の痛みや痺れ、頭痛などを伴う疾患を並べてみます。

・頸椎ヘルニア
・胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
・手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
・後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)
・後頭神経痛(こうとうしんけいつう)
・偽痛風(ぎつうふう)
・筋膜性疼痛症候群(きんまくせいとうつうしょうこうぐん)
・硬膜外血腫(こうまくがいけっしゅ)

など、代表的な疾患を列挙しましたが、痺れや疼痛の場所、種類、程度、経過期間、複合症状、外傷の有無などを含めるとかなり多くの疾患に分類され、中には脳に原因があるという事も頭に入れておく必要があります。

頸椎症の改善方法3選

ある程度頸椎症の全体像はここまでの内容で掴んで頂いたと思います。
様々な要因から引き起こされる頸椎症において、初期症状や生活上の違和感を感じた場合は既に黄色信号です。症状が出る前に日常生活上での姿勢や習慣に気をつける事で十分に予防、改善する事が出来る事を知っておきましょう!

まず生活状況を見直す

「頸椎症の原因」の部分で書きましたが、日常生活の姿勢や行動が原因となっているケースも多くありますので、まずはご自身の生活状況を見直してみましょう!

・長時間のパソコンやスマホ作業を控える(またはこまめに休憩する)
・うつ伏せの姿勢で寝られない(うつ伏せ寝は首に負担がかかるため)
・枕が合っているか確認する(最近では寝具店でも無料計測もしています)
・首に過度な負担がかかる動作を避ける(運動やジェットコースターなどの衝撃)
・癖を改善(座り方や走り方、スポーツ動作の見直し)

項目の中で、複数当てはまる方もおられるのではないでしょうか…?
ご自身に当てはまるものが有れば一つずつ実践してみて下さい!

セルフケアとトレーニング

生活状況の見直し部分でいくつか該当項目があった方で、最近首が疲れたり、これまでに頸椎症の疑いがあると言われた方はセルフケアやトレーニングを行って予防や症状緩和を行いましょう。わかりやすい動画を下に載せているので参考にしてみて下さい!

①「頭押し運動」


②「肩甲骨運動」

③「胸筋・脇ストレッチ」

早期発見と早期治療

ここまでの内容で頸椎症がどの様なものか、それに対してご自身で出来ることを少しご理解頂けたと思いますが、痺れを伴う症状はどれだけ早く見つけられるか、どれだけ早く処置方法を知る事が出来たかが重要になります。
ここでは、日常での違和感を医療従事者に相談した後、どの様な事が出来るかという点について説明したいと思います。

①徒手加療(マッサージ)や運動療法・鍼治療 


しっかりと体の状態を把握した上で、徒手加療(マッサージ)や鍼を用いて頸部の緊張を取り除いたり運動療法を行う事で緊張を取り除き、症状を改善させます。筋疲労を主とした症状の場合は早期に改善させられます。

②温熱療法 


疼痛部位や緊張部位に温熱刺激を加える事により血液循環の改善や筋緊張の緩和を目的に行う方法で、代表的なものとしては「ホットパック療法」、joyplus.では「ラジオスティム(高周波治療器)https://www.sakaimed.co.jp/rehabilitation/beauty-instrument/physioradiostimmh2/」を用いて患部の血行や緊張を一気に改善させる機器もあります。※つかしん院のみ。

③薬物療法 


病院で診察を受けた場合には、痛み止めとして「消炎鎮痛薬(NSAIDsなど)」、痺れがある場合には「神経障害性疼痛治療薬」、筋緊張を緩和する場合は「筋弛緩剤」が用いられます。副作用が現れる場合があるので、服用の際は必ず医師の指示に従って下さい。
「神経根ブロック療法」と言って、神経根部に局部麻酔薬を用いて痛みの伝達を止める方法で、主に整形外科やペインクリニックで行われる方法もあります。

④外科手術 


①〜③のアプローチを行っても中々症状が改善しない場合や、日常生活に大きく支障をきたしている場合においては手術が検討されます。ただし症状が軽度の段階で手術が行われる事はほとんどないので、早期発見・早期治療が1番である事に変わりはありません。

小さな変化があった時の相談先

今回テーマで挙げさせて頂いた頸椎症含めて、普段過ごしている中での違和感や平常時と違った症状は、体の何かしらのサインである事は間違いありません。
それは痺れ、震え、麻痺、ふらつきや目眩(めまい)、などハッキリとした症状になって現れる前に必ず
「物を落としやすくなった」
「つまずきやすくなった」
「疲れやすくなった」

など、ほとんどの病は些細な症状の出現から始まります。
特に頸椎症においては、初期症状が出現した時にどれだけ早く処置、治療が出来たかが重要になってきます。ただ「今の症状でどこに相談したら良いの?」「もう少ししたらマシになるからもう少し様子見よう〜」と思っている間放置していて、症状が強くなってから受診される方が多くおられます。
joyplus.鍼灸整骨院では、問診・検査をしっかり行った上で今の状態と最適な方法を提案させて頂きますので、何か体の変化を感じた時やふと不安に思った時は是非お気軽に当院にご連絡ください。

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