腰痛は予防できる! なぜ今、動かせば改善してくのか??
皆さん、こんにちは。joyplus.鍼灸整骨院の“きん爺”こと堤です。近頃、季節の変わり目で不調をきたしている方を多く見かけます。
いわゆる天気痛というものが影響していると考えられます。
詳しくは当院が発信しているブログシリーズの中に
「天気痛おススメ対策3選を紹介!自律神経と天気痛の関係」があります。
ぜひご覧ください。
ひと昔なら、「あいつ、仮病だな」「気合いが足らない」など、なかなか周囲のヒトに理解してもらえませんでした。
現在は気圧の変化で内耳との関連性が原因のひとつではないかと言われています。日本には四季があり気圧の変化が多いのも指摘されています。
腰痛も同じくはたから見ても痛みは他人からはわからないものです。痛みは本人にしか理解できないモノです。
まずは腰痛のメカニズムや姿勢との関係性、そして予防できることを今回のブログを読んでいただければ納得してもらえます!!
腰痛の正体!? やはりあのコトが原因?
4本足の動物と違って、人間の脊椎は歩いているトキや動いているトキは垂直になっています。
腰椎は上半身の体重を支え、座っているトキは体重を骨盤へ伝え、立っているトキや歩いているトキは体重を両足に伝えます。
このように腰椎は、上半身と下半身を繋げて脊髄を保護し体重を支えるという機能を果たしています。
人間の進化とともに脊椎が水平から垂直へ変化してきた中で椎間板はより重い重量を支えられるように適応し、衝撃を吸収したり柔軟性を保つために脊椎にはいくつかの彎曲(わんきょく)が形成されました。
正しい立位姿勢とは!!
人間が立っているトキの姿勢を横から観察してみると、骨盤の直ぐ上でくぼんでいるのがわかります。
このくぼみのことを腰椎前彎といい、どんなヒトにも認められる自然なモノで、成長の過程で形成されます。
腰椎の前彎がなくなる!?と腰痛に!!
腰椎前彎というキーワードは腰痛を理解するうえでとても重要です。
真っすぐに立っているトキに腰椎前彎は自然に形成されますが、前彎の程度はヒトによって様々です。
そして、座ったトキや前かがみになったトキなど、腰が丸まると腰椎前彎はなくなります
。腰椎前彎がなくなる動作を何回も行ったり、なくなる姿勢を長時間続けたりすると腰痛が引き起こされる要因の一つになります。
(力学的原因による痛み)
良い姿勢を維持するためには??
良い姿勢を維持するための条件は以下のようになっていることが望ましいです。
□力学的に安定
静止姿勢において、重心線が支持基底の中に位置しており、その位置が支持基底の中心に近いほど安定性がよくなります。
□生理学的に安定
長時間にわたって同一姿勢を保持していると、静的姿勢を保持するために筋肉が動かないままチカラが入っている等尺性収縮を強いられ、筋疲労が生じます。筋の過剰な収縮を防ぐためには、頻繁に姿勢を変えることも必要です。
また、消費エネルギーを最小に抑えることも良い姿勢の保持に繋がります。医学的には、循環器・呼吸器・消化器・などに負担がかからない姿勢も良い姿勢の条件となります。
□心理的に安定
姿勢には心理的な影響も反映されるそうです。安定した心理状態は脊柱の伸びた良い姿勢に繋がり、不安や劣等感などの心理状態は、背中の丸まった屈曲位の姿勢に繋がりやすくなります。
□美的に美しい
美の形式とは、美しいと感じる図形のパターンであり、人間の美の形式には、釣り合い(バランス)、律動、均整、プロポーション、躍動感などがあげられます。
ちなみに、身長は頭部・顔面の長さの8倍、手の平・指の長さの9倍、足底の長さの7倍であることが望ましいとされ、いわゆる8等身が理想となっていますが、人の好みも様々ですから一概には良いとは言えないと思います。
これらが正常に機能しあえば身体各部は正常なアライメントを維持することが可能となります。
しかし
これらのいずれかに問題が生じると、不良姿勢の持続的な保持や、特定方向への関節運動の反復が生じ、構成要素の機能障害とその相互作用によって不良姿勢や運動、動作をうまく行えない障害が進行することになります。
例えば、椅子座位時の胸椎後彎・頭部前方姿勢(いわゆる背中が丸く、頭の位置が前に来る猫背)は支持基底の中央に重心線が近づくため、ご自身は安定した楽な姿勢と思いがちですが、これは決して良い姿勢とはいえません。
楽な姿勢と良い姿勢を区別し、不良姿勢を習慣にしないことが大切なのです!
姿勢と動きの重要性について!!
姿勢がなぜ腰痛に結びつくかはご理解できましたでしょうか?
ここで腰痛に限らずカラダを動かすことがなぜ良いとされているかをご説明いたします。
痛みが強い時は、動きたくないものです。この反応は生体の防御反応としては、正常の反応ですが慢性痛のように痛みのために動かない時間が長時間続くと、状況は一変します。
一般的に長時間筋肉を動かさないでいると筋力は低下し、廃用性萎縮と呼ばれる状態になります。
さらに筋肉を動かさなければ関節拘縮になります。
これらが生じると、動きが制限されるのはもちろんのこと、廃用性萎縮を起こした筋肉や関節拘縮が起こった関節の動きを他の筋肉や部位が代償しようとし、負担をかけることで二次的な痛みが出現します。
このように、筋肉を長時間動かさないことで新たな痛みを引き起こす可能性があることから、筋力を増強させる運動や関節を動かすような運動を指導します。
これらは、筋力トレーニングや関節可動域訓練と呼ばれ、痛みに対するリハビリテーションとしては一般的な方法です。
一方、歩行や体操などの軽度な運動は廃用性萎縮や関節拘縮を予防するだけでなく、その運動自体に鎮痛効果があるのではないかと言われています。そのメカニズムはこうです。
一般的に、軽度の有酸素運動を行うと、脳内から内因性のオピオイド物質が放出されることが知られていることから、痛みがある程度あってもカラダを動かすことはとても大切だと考えられています。
ただし、運動の量・強度は、痛みの強さや疾患の種類により異なり、個人差があるので運動を行うには専門家の指示を受けることが望ましいと思われます。
いずれにせよ、痛みが長期化した場合は、カラダを動かすことが大切です。
■関節可動域訓練は、萎縮や拘縮だけでなく、痛みの予防にもなる。
■軽度な有酸素運動(歩行、ランニング、エアロビクスなど)は、脳内からオピオイド物質を誘発することで、痛みを抑制する。
※ 内因性のオピオイドとは…脳内麻薬あるいは脳内モルヒネと言われるが、より専門的な言い方が内因性のオピオイドになる。生体内にあってモルヒネ様の薬理作用をもつ一群のペプチドの総称。
「不良姿勢と運動不足が腰痛の原因なのか??」
「はい。不良姿勢は要因の一つだと考えられています。
皆さんは日頃、自身の立ち姿や座り姿勢、歩く時の姿勢を気にしたことはありますか?自分にとって楽な姿勢が、良い姿勢とはかぎりません。
むしろ悪い姿勢が習慣付いていることの方が多いのではないでしょうか・・・。姿勢は人生を映し出す鏡です。いや、アナタの歴史そのものかも知れません。
骨盤の動きひとつで腰椎への負担が変わってきます。骨盤が前に傾くと腰椎の背中側の筋肉が、後方に傾くとお腹側の筋肉が緊張します。
どちら側の筋肉の働きも均等な場合が腰椎にとって一番負担の少ないニュートラルな状態です。
腰痛になってしまったら骨盤の傾きや背骨を反らせたり前かがみにして一番楽な姿勢を探ってみてください。
座る場合でもなるべく座骨の2点で、真っすぐに正しく座ると背骨の中心に重心がくるので、筋肉の負担が少なくなります。」
姿勢と動きをよくするためにはどうしたらいい??
腰椎を安定させるため、多くの筋肉が働いています。
姿勢を保つにはお腹の奥にある筋肉(腹横筋など、素早く動いて背骨を守る自前のコルセットと呼ばれる)を鍛える方が有効だと言われています。
鍛えるというと筋力トレーニングなど、ストイックにガンガン負荷をかける、というイメージがあります。
ここでいう鍛えるという意味は、見えるところではなく「キレイな姿勢や動かしやすいカラダづくりを目指す」という重要な観点です。
胸腰筋膜ってご存じですか??
姿勢保持に関係する胸腰筋膜のことを少しお伝えします。筋膜についても触れておきたいと思います。
筋膜とは、全身の筋のほか、骨や心臓、脳などの臓器をすべて包んでいる膜のことで、全身をくまなく覆っていることから第2の骨格とも呼ばれています。
筋膜は水溶液状の間質液でできています。この筋膜がよじれたり、癒着したりすると筋膜そのものだけでなく、上にある皮膚や下にある筋肉も動きづらくなりなります。
そのためキレイな姿勢や動作が取りづらくなり、腰痛や肩こりの一要因となることも分かってきています。筋膜のなかでも姿勢と密接に関わるのが体幹部に存在する胸腰筋膜です。
この筋膜は数層からなり、背部に広範囲にわたる筋膜系で、脊柱起立筋・多裂筋・腰方形筋・腹横筋によって支えられています。
これらの筋群が胸腰筋膜の張力を高め安定化機構に寄与しているのです。
さらに胸腰筋膜は、腰椎の屈曲限界域で緊張し、屈曲を制限するほか、動的な安定化機能も見られます。
(動的安定化機能…姿勢の変化、歩行、外乱などの際に、姿勢を保持するもしくは別の安定した状態になる機能。)
また、広背筋の腱膜と下後鋸筋、内腹斜筋および腹横筋とつながる線維が、胸腰筋膜の外縫線
(これらの筋肉が一体化する部分)で一体となり、このためこれらの筋の収縮によって屈曲した筋膜を介して筋膜の張力が高まり、これも腰椎を安定させるチカラになります。
人間のカラダにはコルセットの役割をしているインナーユニットという働きがあります。腹腔を取り囲む、腹横筋・横隔膜・骨盤底筋・多裂筋の4筋があります。
個々の機能のほか、腹腔内圧の維持・上昇を行いますが、腹横筋などが収縮して、腹腔内圧を上昇しようとしても、骨盤底筋が底面で支持しきれなければその機構はうまく働かないのです。
フィットネスクラブで、出来るエクササイズもあります!
それでは、フィットネスクラブのプログラムで実施されている慢性腰痛症に対するエクササイズの一つをご紹介します。その前に腰痛症に対して推奨される治療と方法をいくつか簡単にご紹介します。
- 筋ストレッチング
- Mckenzieエクササイズによる体操療法
- エアロビクス
- 徒手療法
- 神経筋群協調トレーニング(コアトレーニングを含む)
の順で有効とされているようです。いずれの介入でも、薬物療法や物理療法を併用して安静期間を4日以内に減らす努力をし、早期活動再開をもたらすことで職業復帰や再発予防にもつながります。
このために改善させるべき身体機能として、脊柱柔軟性と体幹筋力が影響するとされています。
皆さんは、このエクササイズをご存知でしょうか!!
世界的に活躍するメジャーリーガーも活用!背骨コンディショニングとは?
「私はフィットネスクラブ内に併設している鍼灸整骨院で長年勤務しております。マシンジム・スタジオ・プールがあり、大浴場も完備されており、ご自身の身体について真剣に考えている意識の高い方々が健康維持・増進のために足しげく通われています。
私も健康に携わる治療家の一人ですが、スポーツクラブのスタッフさんやインストラクターの先生方とお話をしていると自分はまだまだ「健康」という概念を深く知らないんだなと痛感します。
個人的にはマシントレーニングやプールも患者さんにはオススメしますが、今回の悩める腰痛症の皆さんにはスタジオレッスンやパーソナルでも受講できる「背骨コンディショニング」という独自メソッドをご紹介させていただきます。
もしも皆さんが医療機関や投薬に頼らず、自ら身体を動かすことで悩みの腰痛症を改善できるとしたら、、、、。誰かに「治してもらう」から「自分で動かしながら治す」という考え方も私は大切なことだと思います。
身体の不調に悩み続けているそのツライ気持ちを、その同じ思いを共感できる人達と一緒に解消できるのは、運動しかないと言っても過言ではありません。
まずは、医療機関でメンテナンスしながら、出来る範囲で運動を始めてみてはいかがでしょうか。
背骨コンディショニング・・・背骨の歪みを整え、不調を改善する運動プログラムです
①ゆるめる ② 矯正する ③ 筋力向上
3つのメソッドで歪まないカラダづくりを目指します。こちらのサイトも参考にしてください。
https://www.sebone-c.org/seboneconditioning/
皆さん、最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。まずは、ご自身の状態を的確に見てもらえる医療機関を受診してみてください。
運動をしても良いと指導された方は、お近くのフィットネスクラブやプールなどで少しずつ適度な運動を始めてみてはいかがでしょうか。
きっと、腰痛症も改善していくと思います。もちろん、運動後のケアは私たちにお任せください!
整骨院で、施術可能な症状には対応致します。
ご不明な点やご質問などあればLINE@やメールでお問い合わせ頂ければ幸いです。
■参考文献
□正しく理想的な姿勢を取り戻す姿勢の教科書(竹井 仁・ナツメ社)□自分で治せる!腰痛改善マニュアル(ロビン・マッケンジー・実業之日本社)