夏バテの対処方法と予防~暑い夏は要注意~

こんにちは。joyplus.桜宮の溝端です。

毎年のように、年々暑さが増して「猛暑日」を記録する日が増えています。

毎年夏になり暑くなってくると、「食欲がない」「だるい」といった夏バテ特有の症状で悩まされる方が増えてきます。

しかし、夏バテはきちんと理解して対応することで、予防することが可能です。夏バテが起こる原因を理解して、夏バテを事前に防止しましょう。

夏バテとは

暑い夏に活動が低下している理由は、外気温が上昇しすぎているからです。外気温が高いと体温も上昇しがちになり、脳の体温中枢である視床下部から、体温を下げるように命令が下されます。

すると体表面の血管を拡張させたり、汗を出したりすることにより、体温を拡散させて熱を下げようとするのです。

動くことは体温を上昇させることになるので、無駄な動きは抑えるようになります。

また、食事をすると消化器の動きが活発になり、消化器自身さらには全身から熱産生が増加することになり、体温が上昇します。

「動きたくない」「食欲がない」という症状は、ある意味、本能的なものといえるでしょう。

ただし、「動かない」「食べない」という状態が続くと身体がばててきます。つまり夏バテになってしまうのです。

さらに近年は空調設備が整ったところも多く、外気温との温度差で自律神経のバランスが乱れ、夏バテが起きやすくなっています。過労睡眠不足などにより体力が弱っていることも、体調を崩しやすい要因です。

夏バテ危険度チェックシート

いったん夏バテになってしまうと、戻るのに時間がかかります。では、あなたの夏バテ危険度はどうでしょうか? 以下のチェックシートで確認してみましょう。

■質問項目

  1. 夏は食事を作るのが面倒になる
    YES 1点 NO 0点
  2. このところ同じようなものを繰り返し食べている
    YES 2点 NO 0点
  3. 食事はあっさりしたものや、のどごしのよいものばかり食べている
    YES 3点 NO 0点
  4. 暑いので、つい火を使わない料理が多くなる
    YES 1点 NO 0点
  5. 夏になってから、どうも食がすすまない
    YES 2点 NO 0点
  6. 喉が渇くので、ジュースや炭酸飲料などを1日に1リットルくらいは飲む
    YES 3点 NO 0点
  7. 食欲がないときの食事はスイカやアイスクリームなどで済ませることがある
    YES 3点 NO 0点
  8. 夏バテ防止に焼き肉、うなぎのかば焼き、豚カツなどをよく食べる
    YES 2点 NO 0点
  9. 日中は暑いので動く気がせず、家でダラダラと過ごしている
    YES 2点 NO 0点
  10. 汗をかかないように、水分はできるだけ控えている
    YES 2点 NO 0点
  11. 暑さに弱いので、部屋はクーラーをガンガンきかせている
    YES 1点 NO 0点
  12. 寝苦しいせいか、寝不足の日が続いている
    YES 2点 NO 0点
  13. 夜遅くまでテレビを見たり、ビデオ鑑賞や読書を楽しんでいる
    YES 2点 NO 0点
  14. 昼食を抜いて、少し涼しくなる夜にまとめて食べることが多い
    YES 3点 NO 0点
  15. 夏の晩は、仕事帰りについビアガーデンによることが多い
    YES 2点 NO 0点

(出典:NHK出版 『今日の健康』テキストより)

<あなたの夏バテレベル>

  • 22~31点:完全に夏バテです
    自分でも夏バテと自覚しているのではないでしょうか?  食生活や生活習慣を見直して、夏バテを脱却しましょう。
  • 8~21点:夏バテに要注意! 夏バテ予備軍
    疲れが蓄積することで今後夏バテに移行するおそれあり。対策が必要です。
  • 0~7点:夏バテの可能性なし
    いまのところ夏バテの可能性はありません。ただし、暑い時期が続くと、誰しも夏バテの可能性があります。今のコンディションを保つよう気を付けましょう。

注意すべき夏バテの症状とは

たかが夏バテと侮ってはいけません。夏バテと思っていたら、熱中症だったということも少なくありません。

熱中症の初期に起こる症状は、めまいや大量の発汗、こむら返りなどです。さらに進んで中等症になると、頭痛や嘔吐、集中力の低下が起こります。さらに進行して重症になると、意識障害やけいれん、高体温などという症状が出てきます。

熱中症初期の対処方法


初期の熱中症であれば安静と水分補給でよいのですが、中等症以上ではすぐに病院を受診することが必要です。

症状の確認

熱中症が疑われる時には、適切に応急処置をする必要がありますが「意識がない、もしくは意識がはっきりしていない」場合はすぐに救急車を要請しましょう。また、救急車が到着するまでの間に現場での応急処置も必要となります。

現場での応急処置

救急車を呼んだ場合もそうでない場合も、現場では速やかな処置が必要です。

症状や重症度に関わらず、熱中症が疑われる時には涼しい場所へ移動し身体を冷やすことと、水分と電解質を速やかに補給する必要があります。

※水分の摂取は本人が自力で摂取できる場合に限ります。

涼しい場所へ移動させる

風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などの涼しい場所へ移動させましょう。

身体を冷却する

衣服を脱がせたり、きついベルトやネクタイ、下着はゆるめたり、身体から熱を放散させます。

露出させた皮膚に冷水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。

氷のうなどがあれば、それを首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面に当てて皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やしましょう。

水分・電解質の補給

意識がはっきりしているなら、電解質を適量含んだ冷えた飲料を自分で飲ませて下さい。

汗で失われた電解質も適切に補えるスポーツドリンク(ナトリウムを100mlあたり40~80mg含んでいる飲料)や経口補水液などが最適です。

「呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい」、「応えない(意識障害がある)」時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があるため、無理に飲ませることは避けて下さい。

「吐き気を訴える」または「吐く」という症状がある時は、口から水分を摂らせることは適切ではないため、医療機関での点滴等の処置が必要となります。

夏バテ解消法

夏バテは、高温多湿な日本の夏に身体がなんとか対応しようとしてしきれなかった結果、「だるくて疲れやすく、食欲がない」といった症状が起こる、いわば夏の身体の不調の総称です。


7月に入ると「そろそろ夏バテ対策を始めたほうがいいかも……」と思っている方も多いかもしれませんが、意外と多くの人が間違っている重要な事実があります。

それは、「現代の夏バテは、昔の夏バテとは少し違う」ということです。


つまり極論をいってしまえば、「夏のカラダの不調は全部夏バテ」といっているようなものなのです。

最近の夏バテの原因は、昔ながらの「暑さによる食欲低下」といったものだけではないのです。

むしろ、今の夏バテに大きく寄与していると考えられるのが「エアコン」。

つまり、エアコンの効いた室内と暑い外との温度差に身体がうまく対処できず、カラダが混乱して自律神経失調状態になること。これが現在の夏バテ対策を一番難しくしていると考えられます。

それでは以下で、具体的な夏バテ対策法をご紹介しましょう。

効果的な夏バテ対策法

①エアコンの設定温度をうまく調節する

エアコンの効いた室内と蒸し暑い外を往復すると、身体はその変化についていけません。5度以上の温度差に対しては、身体の温度調節機構はうまく働かないと覚えておきましょう。

エアコンの設定温度は省エネの面からも28度ほどがオススメです。

 ②除湿機能や扇風機を活用する

湿度が低いと涼しく感じるので「エアコン(冷房)より除湿」を心がけましょう。さらに風があると体表から熱が奪われて涼しくなるので扇風機を併用するのもオススメです。

エアコンの向きは、直接体を冷やさないように、風向きは天井に向けるのがポイント。

直接冷たい風が体にあたるようにすると、体の表面の熱が奪われ続けることになってしまうので、体が疲れてしまいます。

同様に扇風機も首を振るようにしましょう。

③少量でも良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルを摂る

バテ防止に効果的な食事の摂り方は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂るようにすることです。たとえ少量でも質の良いものを食べることが重要。

ビタミンの中でも特に重要なのは糖質の代謝を助けるビタミンBなのでこれを積極的に摂りましょう。豚肉や精製していない穀類、豆類などに多く含まれます。

④刺激の強い食べ物を摂る

胃腸を刺激すると食欲が増進します。胃液の分泌を促す食べ物には、辛いものや香辛料、香味野菜などがあります。

辛いものは、発汗による夏ばて防止効果も期待できます。スパイスいっぱいのカレーは実は薬膳料理という話も。

ただし食べすぎは胃腸を痛めるのでほどほどに。レモン・お酢などの酸味も食欲増進、疲労回復効果があります。

 ⑤運動や半身浴で上手に汗をかいて体温調整を

汗をかくのはカラダの温度調節のためにもとても重要。しかも、血流も良くなる、老廃物も出てゆくという効果もあります。

暑いからといって身体を動かさないとうまく汗をかくことができなくなります。涼しい夕方などにちょっと歩いてみるなど、適度な運動をしましょう。

半身浴などでゆっくりぬるめのお風呂につかるのもよいでしょう。好みのアロマオイルをたらしたりすれば、リラックス効果も高まります。

お風呂後のストレッチも血流促進効果と筋肉をほぐす効果があるのでオススメです。

発汗トレーニング

からだには200万個~500万個もの汗腺がありますが、通常働いているのはその半数程度です。

汗を出す汗腺を「能動汗腺」といいますが、その数は幼児期にほぼ決まってしまい、増加することはありません。


そのため汗を上手にかくには、もともとある能動汗腺の働きを改善し、発汗機能を高めてやることが大切です。その方法が、発汗トレーニングとか汗腺トレーニングと呼ばれるものです。


気温が上がり、汗をかくようになる季節から始めると、夏バテの予防にもなるので試してみましょう。

発汗機能を高めるもっとも良い方法は、軽い運動を続けること。とくに、有酸素運動をすると、手足など末端の血行もよくなり、自然に発汗をうながすことができます。


肌が汗ばむ程度を目標に、ウォーキングや自転車こぎのような軽い運動をします。無理をせず、最初は近所へ買い物がてらの10分程度のウォーキングでもいいので続けましょう。

体温がゆるやかに上昇し、汗が少しずつ出る運動を続けることで、能動汗腺が刺激されます。


ただし暑い季節には、炎天下での運動は厳禁です。早朝か夕方~夜間にかけて運動をしましょう。

運動時には、少量ずつでもミネラルが失われるので、かならずスポーツドリンクなどミネラルをふくむ水分を補給してください。


高齢で体力が低下している方の場合には、室内でストレッチや軽い屈伸運動程度でもかまいません。

ストレッチは血行をよくし、屈伸運動は筋肉を維持して基礎代謝量の増加につながり、それだけ汗をかきやすくなります。

エアコンをきり、軽く息がはずむ程度を目標にしましょう。
ただし、高血圧気味の方は医師に相談してから運動を始めてください。

不安のなく夏を過ごせるように・・・

今回は夏バテの対策や予防法、原因などについてお話ししましたがいかがでしょうか?

暑い夏を乗り切れるように、常日頃からの対策が重要になってきます。

しっかりと対策・予防をして楽しい夏を過ごしましょう。

参考資料

熱中症が疑われる時の応急処置|大塚製薬 (otsuka.co.jp)

(出典:NHK出版 『今日の健康』テキストより)
熱中症予防のための情報・資料サイト | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)

トリム・ミズラボ (nihon-trim.co.jp)

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