現役トレーナーが教える「オスグッド病」改善に効果的なセルフケア
こんにちは、joyplus.西宮鍼灸整骨院セラピストの塚本です。
私は、セラピストとしてjoyplus.で勤務をしながら、日本女子フットサルリーグで活躍する『SWHレディース西宮』というチームのトレーナーとしても活動しております。
そんな私から、お子さんがいるお父さんお母さん、お子さんにスポーツを教えるコーチの皆さまにお尋ねします。
お子さんからこんな事を言われたことはありませんか……?
・「スポーツしたあとに膝の前のほうが痛い。」
・「なんか最近、膝の骨が出っ張ってきた。」
そういえば心当たりがあるなぁ…という方!!!
もしかするとそのお子さんの膝、「オスグッド病」かもしれません。
昨今、運動する頻度の高いお子さんが多く、膝の痛みは特に無視できない警告であり、その中でも「オスグッド病」は、最も注意する疾患の一つでもあります!
そこで今回は、お子さんの膝の疾患の中でも特に多いとされる「オスグッド病」について、3つのテーマに分けてお話ししていきます。
①膝の構造から、「オスグッド病」の概要と痛みの原因を徹底解説!
②「オスグッド病」で特に重要な太ももの筋肉のセルフチェックと、簡単・効果的なセルフケアのご紹介
③「オスグッド病」になりやすいお子さんの特徴
このブログを読んで、お子さんを膝の痛みから救いましょう!それでは、最初に「オスグッド病」を詳しく解説していきます。
目次
現役トレーナーが「オスグッド病」を徹底解説!
「オスグッド病って、なんとなく聞いたことはあるけど、具体的になんで膝が痛くなるのかは知らない…」、と思っている方もいるのでは…??
そんな皆さんに、
「オスグッド病」とはどういった膝の疾患なのか?
どのようにして「オスグッド病」が発生するのか?
をまずは解剖学を交えて分かりやすく解説していきます!
お子さんの膝の痛み-「オスグッド病」とは?
オスグッド病(正式名称、オスグッド・シュラッター病)とは、スポーツ活動を活発に行う10~15歳頃のお子さんに起こりやすい、脛骨(けいこつ:すねの骨の事)の前面に痛みが出る骨端症(こったんしょう)のことを指します。
また、オスグッド病は、女子よりも男子に発生しやすいとされています。
骨端症とは、小児の骨の成長に大きく関わる骨端線(こったんせん)というところに過剰なストレス等がかかり、最悪の場合、骨が壊死(えし:骨に十分な栄養が供給されなくなり、破壊されてしまうこと)してしまう可能性がある症状なのです。
そして、「オスグッド病」を発症する要因として…太ももの筋肉の硬さが大きく関わっています!!
「え!?骨の痛みなのに、なんで太ももの筋肉が関係あるの??」と、思ったのではありませんか?
そこで次に「オスグッド病」になるメカニズムを解説していきます。
なぜ、太ももが硬いとオスグッド病になるのか?
なぜ、太ももの筋肉が硬いと「オスグッド病」になりやすいのか?その理由をお話しするその前に、膝の解剖学を解説していきます。
一般的に膝は、大腿骨(だいたいこつ)・膝蓋骨(しつがいこつ)・脛骨(けいこつ)の三つの骨で構成されています。
そして、脛骨の前面部分の脛骨粗面(けいこつそめん)という場所には、膝蓋腱(しつがいけん)という強力な腱が付着しています。
この腱は実は、太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という大きな筋肉が集約されて構成されたものなのです。
ではなぜ、太ももの柔軟性がないお子さんはオスグッド病になりやすいのか?
それは、大腿四頭筋の柔軟性が低下している状態で運動を行うと、膝蓋腱に強いテンションが掛かり、付着部分である脛骨粗面を必要以上に引っ張ってしまうからなのです。
また、脛骨粗面には前述した骨端線の一部が存在しています。この部分は、骨としては未完成であり組織として脆弱です。
そんなお子さんの膝に膝蓋腱の繰り返し起こる牽引力が加わると、炎症や疼痛が引き起こされます。
最悪の場合、膝蓋腱が付着部である骨の一部を剝がしてしまいます。
また太ももの後ろにあるハムストリングスの柔軟性が低下している場合でも、オスグッド病を発症するリスク要因となります。
ハムストリングが硬いと常に膝が曲がる方向に力が掛かりやすく、これも膝蓋腱の牽引力を強めてしまうのです。
では、ここからはお子さんの太ももの筋肉の硬さをチェックしていきましょう!
膝の痛みの原因となる太ももの硬さをチェック☝
前述の「オスグッド病」発生のメカニズムをご理解頂くと、太ももの筋肉の柔軟性は運動をする上で、重要な役割を果たすことがわかります。
太ももの筋肉が硬く十分に動かないと、今回ご紹介している「オスグッド病」だけでなく、様々なケガを引き起こしてしまう可能性があります…!!
そこで、お子さんの現在の太ももの状態を把握する簡単なセルフチェックをご紹介していきます♬
注:全てのチェックで膝に痛み出る、または強くなる場合は無理せず中断しましょう。
では、最初に太ももの後ろにある筋肉、「ハムストリング」のセルフチェックから行います。
太ももの後面、ハムストリングの硬さチェック
まずは、太ももの後ろの筋肉-ハムストリングの硬さをチェックしていきます。
最初に、足や膝を揃えて正面を向いて立ちます。その状態から膝を曲げずに、手を伸ばして指先で床を触るように上半身を前に屈めていきましょう。
前に身体を倒していき、膝が曲がってしまった時点での床と指先までの距離をチェックしましょう。
・このチェックで膝も曲がらず、手の平までしっかりと床につくお子さんは、ハムストリングの柔軟性は十分にあるでしょう。
・あと数センチで指先が床に届く、指先でタッチできているというお子さんは、柔軟性はある程度ありますが、ケアを怠ればオスグッド病になる可能性は秘めています…。
・指先が床に全く届かない、すぐに膝が曲がってしまうというお子さんは、ハムストリングの柔軟性がほとんどありません!もしかしたら、すでにオスグッド病である可能性も…。
(かく言う僕も手が床につかないのでかなり硬い部類ですが…(;^ω^))
では、次に太ももの前の筋肉、「大腿四頭筋」のセルフチェックを行います。
太ももの前面、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の硬さチェック
続いては、太ももの前の筋肉-大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の硬さチェックです。このチェックは、測定する人の身体を動かして評価する人が必要です。
最初にうつ伏せで寝転びます。続いて評価する人は片方の足首を持ち、ゆっくりと膝を曲げていき、かかとをお尻に近づけていきます(反対の脚も同様に行います)。
ゆっくりと曲げて止まった時点での、かかととお尻の距離をチェックします。
※膝を曲げていく途中でお尻が浮いたり、身体がねじれたりする場合はその時点で動作を止めて、距離をチェックしましょう。
・お尻とかかとがしっかりとくっつけば、大腿四頭筋の柔軟性が十分にあるでしょう。
・お尻とかかとの距離が拳1個分ほど開きのある場合は、柔軟性はある程度ありますが、ケアを怠ればオスグッド病になる可能性は秘めています…。
・お尻とかかとの距離が拳1個以上開きのあるお子さんは、すでにオスグッド病の可能性も…。
では、それぞれの筋肉の硬さが分かったところで、次にチェックした太ももの筋肉のセルフケアをご紹介します。
オスグッド病に簡単・効果的♬お子さんの太ももセルフケア
先ほどのチェックで、それぞれの筋肉に十分な柔軟性がなかったお子さんへ!
簡単で効果的な太もものセルフケアをご紹介します♬
このセルフケアは、太ももの硬さがあるお子さんはもちろん、柔軟性がしっかりあるお子さんでも習慣として行うことで、疲労回復や怪我の予防となる為、ぜひやってみてください♬
それでは、まずハムストリングスのセルフケアからご紹介していきます。
オスグッド病に簡単・効果的♬ハムストリングスのセルフケア
まずは、ハムストリングスのセルフケアをご紹介します。
・最初に両足を揃えてしゃがみ込み、太ももと胸をくっつけます。そして両足首を掴みます。
注:この姿勢の時点で膝に痛みが出るのであれば、椅子に座った状態から行いましょう。
太ももと胸をくっつけた状態のまま、お尻を天井に向けて上げるようにして膝を伸ばしていきます。
太ももの裏側や膝の裏に伸びを感じたら、その状態で約20秒~30秒キープします。
これを2~3セット行いましょう。
(この時に力み過ぎてしまうと伸びにくくなるので、ゆっくりと深呼吸をしながら行いましょう。)
では、次に大腿四頭筋のセルフケアをご紹介していきます。
大腿四頭筋のセルフケア
次に大腿四頭筋のセルフケアをご紹介します。
まず、伸ばしたい方と逆の足を前に出し、反対側の足の膝を立てた状態で準備します。
注:膝を立てた時に痛みが出る場合は、膝の下にタオルやクッションなどを敷いて行いましょう。
そこから立てた膝の方の足を手で引き寄せ、お尻に近づけていきます。
※腰がなるべく反らないように注意しましょう!
太ももの前に伸びを感じたら、その状態で20秒~30秒キープします。
これを2~3セット行いましょう。
(この時も、力み過ぎてしまうと伸びにくくなるので、ゆっくりと深呼吸をしながら行いましょう)
ご紹介した2つのセルフケアを運動の前後に毎日行うことで、オスグッド病の予防と対策になります。
それでは次に「オスグッド病」となりやすいお子さんの特徴をご紹介していきます。
オスグッド病になりやすいお子さんとは?
オスグッド病になりやすいお子さんの一番多い要因としては、前述したように筋肉の柔軟性が低下していることです。特に大事になってくるのは、
・大腿四頭筋とハムストリングスです。
オスグッド病になるお子さんのほとんどが、この二つの筋肉の柔軟性が著しく低下していることが多いです。
また、お子さんがしているスポーツの種目でもオスグッド病になりやすい、なりにくいものはあります。
例えば、バスケットボールやバレーボール、サッカーやラグビーなどのジャンプ動作、ダッシュ・ストップ、切り返し動作の多い競技に起こりやすいとされています。
これらの動作は膝に対して、瞬間的な力のストレスが繰り返しかかり続けるために、オスグッド病になりやすいとされています。
また、柔軟性などがあったとしても、身体が上手く動かすことができなければ、やはりオスグッド病にかかるリスクとなります。
例えば、
・骨盤が前後どちらかに極端に傾いていて、運動時に適切な動きができていない。
・股関節の十分な可動性がなく、知らず知らずのうちに大腿四頭筋の負担が大きくなっている。
…等々さまざまありますが、実際にはお子さんを診てみないといけません。
一人ひとりの身体の使い方は違いますし、前述したように競技においても変わってきます。
では、うちの子・あの子はもしかしたらオスグッド病かも…?と、思ったときにどこに行けばよいでしょうか?
お子さんの様子に『おやっ?』と、感じたらjoyplus.西宮まで!
もし、お子さんにオスグッド病を疑ったときは、どこに行けば…?という方もいらっしゃるのではありませんか?
もちろん、整形外科などを受診して頂くのもよいのですが、その前に豆知識をひとつ…。
病院や整形外科でよく活用されているレントゲン検査ですが、オスグッド病においてはレントゲン検査よりもエコー(超音波画像観察機器)検査の方が、有用性が高いといわれています。
その理由としてはエコー検査では、レントゲン検査よりもピンポイントで身体の状態を観察できること、またレントゲン検査では、映りにくい筋肉や組織の炎症反応(身体の中で組織や細胞が傷ついた時に現れる反応)なども観察するが可能だからです。
joyplus.鍼灸整骨院では、全院にエコー検査機器を設置しております。
また、joyplus.西宮院では、オスグッド病に対しての電気・超音波療法や運動指導なども行っておりますので、身体の困りごと・悩み事はjoyplus.鍼灸整骨院まで♬
今回はお子さんに身近に起こりうる、膝の痛み-オスグッド病についてのアレコレをお話していきましたが、いかがでしたでしょうか?
もしこの記事を読んでいて、ご不明な点やご質問などありましたら、お気軽にお問合せ下さい。
長文を最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
この記事が、読んで頂いた皆様や、膝の痛みに悩むお子さんに少しでもお役に立てれば幸いです。