捻挫って何回通うの?実例も踏まえて具体的に解説します!

joyplus.つかしん鍼灸整骨院の山内です。

当院はスポーツ外傷に特化し日頃から様々なアスリートやケガをされた方が来院されます。

患者さまから

捻挫をして競技復帰するまでに

どのくらい通えば良いのか?」

と質問を受ける事が多いので答えていきたいと思います。

捻挫の損傷程度によって通院頻度や期間は様々ではありますが、競技復帰するまでの明確な基準はあり、今回は効果的な通院回数と復帰までの復帰基準について解説させていただきます。

捻挫の損傷程度による通院頻度について

ここでは捻挫の損傷程度や通院頻度について詳しく解説させていただきます。

損傷程度に固定の必要性によって通院期間や競技復帰のリハビリ内容や施術内容大きく変わります。

過去にも捻挫をしている場合と初めての方では通院期間は大幅に違いますのでそのあたりも含めて解説させていただきます。

捻挫の損傷程度について

捻挫は靭帯の損傷程度で重症度が分類されています。

捻挫と言えば軽く見られがちなケガの一つですが、靭帯の損傷程度(痛めた程度)によって運動復帰までの期間が大幅に変化していきます。

【捻挫の損傷程度の把握】

  • 捻挫の損傷程度を決める基準として簡易的な評価としては、痛めている靭帯の部分によって判断する方法
  • 超音波エコーにて靭帯の損傷程度を判断し復帰期間を決める方法

【痛めている部分の状態で判断する方法】

上記の画像にあるように捻挫で痛めやすい靭帯はある程度決まっています。

痛めやすい靭帯の順番として

  • 前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)
  • 踵腓靭帯(しょうひじんたい)
  • 後距腓靭帯(こうきょひじんたい)

が痛めやすい順番になっています。

その中でも前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靭帯(しょうひじんたい)の損傷度合いで判断します。

靭帯に【痛み腫れグラグラ感】などすべて評価し総合的に判断します。

※ATFL(前距腓靭帯)、CF(踵腓靭帯)を示しています。

【超音波エコーを用いた判断方法】

コンピューターの画面のスクリーンショット

自動的に生成された説明
joyplus.では超音波エコーを完備している為、靭帯の具体的な損傷程度を把握することができます。

※右側(患側) 左側(健側)

※距骨剥離骨折(整形外科にて診断済み)

画像でもわかるように靭帯の部分が黒く抜けて靭帯が切れているや骨折の所見をみることができます。

さらに超音波エコーを用いて靭帯の弛緩性(靭帯のゆるみ)を把握し初期の固定としてギプス・サポーター・テーピングの中でどれを選ぶか判断しています。

【何度もしている捻挫について】

一度捻挫すると靭帯は60%程度しか修復せず緩みが出てしまい足関節の不安定性(グラグラ)に繋がることがほとんどです。

そのため、2度目以降の捻挫の際は痛めている程度が軽度の場合がほとんどです。

数日の安静期間を得て再度捻挫を起こさないように足関節周囲の筋肉のトレーニングや足の裏の感覚トレーニングを行い捻挫しにくい状態を作りながら競技に復帰してもらいます。

【競技復帰までの目安】

軽度:2~4週間程度

中度:3週間~1カ月半

重度:1カ月~2カ月

※復帰期間は靭帯の修復程度やリハビリ状況で短くなる場合や長くなる場合もあります。

~捻挫の通院頻度について~

先ほどお伝えしたように超音波エコーや損傷している靭帯によって損傷程度を把握しおおよその治療期間を決めています。

さらに大切なのが組織の修復過程を知っておくことでなぜ治療する必要があるのか理解することができると思います。

捻挫直後~72時間程度は【炎症期】と言われ損傷部分の炎症が進む期間となります。

早期より炎症期が落ち着かせ靭帯の修復過程(72時間以降)にスムーズに移行させることで早期復帰につなげることができると言われています。

【炎症期】

受傷後から血管反応が起こります。出血箇所から修復に必要な物質が組織をおおい患部が腫れてきます。通常2、3日~2、3週間続きます。

受傷直後では過剰な炎症が助長することで可動域制限やリハビリ遅延になってしまう為、治療機器を使用し早期炎症抑制を行います。

【増殖期】

増殖期は、受傷後48時間後から始まり、その後6~8週続きます。瘢痕組織の形成と新しいコラーゲン繊維の生成に影響します。

瘢痕組織は、新しいコラーゲン繊維が元の丈夫な靭帯や腱に戻るまでに関節を保護するために働きます。

【再形成期】

再形成期は、17日~28日後から始まり、数ヶ月から数年を要します。新しい組織が生成し元々の強靭な組織の強度になるまでには、とても時間がかかります。

【炎症期】【増殖期】にどれだけ来院できるかが早期復帰に一番影響を与えます。

なぜかと言うと、炎症を早期に抑え早期よりコラーゲン産生に移行させることで修復過程も早まり、早期よりリハビリを開始することにより靭帯に負荷をかけることにより靭帯の強度もあがると言われています。

そのため、自分の判断で競技を行ったりして無理し炎症期を長引かせたり、コラーゲン産生を遅らせることにより後々影響がでてしまいます。

【結論】

約2週間程度は毎日来院することで早期競技復帰することができます。

リハビリ期間に入ると来院頻度は週に2回・3回と減らし少しずつ練習にも参加してもらうようにしています。

~捻挫の症例と復帰過程について~

ここでは実際に来院された患者様の症例をもとにどのような施術方法を行い、

競技復帰に、向けてのリハビリはなにを行ったのか具体的に紹介していきます。

競技復帰までのイメージがしやすくなるのではないでしょうか?

【受傷直後からリハビリ期間までの施術内容】


21歳 男性 テニスの練習中に捻り受傷され当院へ来院されました。

この方は過去にも捻挫をしており、超音波エコーで患部を確認したところ靭帯損傷や骨折などはなく靭帯の腫れが診られました。

総合的な判断として軽度の損傷であり復帰まで3週間程度と見込みました。

【施術内容】

・直後から3日間

3日間の炎症期に対してハイボルテージを使用し腫脹や炎症の抑制に努め、過去に捻挫もされていたのでサポーター処方にて対応させていただきました。

・3日目~

炎症期や腫脹は落ち着いた為、靭帯修復や組織治癒に有効とされる電気治療機器を使用して修復を行いながら患部外トレーニング(痛めた場所以外のトレーニング)を実施し競技復帰に向けて実施

・中殿筋…臀部の安定性の獲得

・体幹トレーニング

【リハビリ期間から競技復帰までの流れ】

・6日目以降~

痛みもほとんどなく動けるため、本格的な競技復帰に向けてのリハビリを開始しました。

・足関節周囲のトレーニング

・足底感覚トレーニング

足底の感覚が鈍くなるとどこに体重がかかっているかわからなくなるので、感覚がわかるようにする訓練です。

・バランストレーニング

・競技特性トレーニング

  • L字ドリル
  • T字ドリル

【パフォーマンステストの実施】

パフォーマンステストとは競技復帰に向けて足関節の機能が養えているのか確認するテストとなります。

30センチの幅に引かれた線を片脚ホップで10往復する時間を計測し捻っていない方と比較します。

競技復帰の指標となり左右差がある場合はまだ不安定性があるという判断になります。

※競技によってパフォーマンステストは様々あります。

・受傷から18日で競技復帰

この方は損傷程度も軽く早期復帰することができましたが、今回はリハビリをメインとさせていただき捻挫しやすい足関節周囲のトレーニングや反射スピードを鍛えるトレーニングを中心に行い今後捻挫しにくいように体づくりを行い競技に復帰してもらいました。

捻挫は放置せず、早く施術をしましょう!

ここまでの内容いかがだったでしょうか?

当院で実際に行っている鑑別や施術からリハビリまで様々ありますが、患者さまの大会や試合などの状況に応じて固定やリハビリ内容を変更し実施させていただいております。

今回で一番お伝えしたいのは【捻挫は放置しない】と言うことです。

甘く見られる捻挫ですが判断を間違うと競技復帰した際の影響がでることもあり、直後からの判断や処置・リハビリを行い早期に復帰することも可能であることがお伝えしておきます。

joyplus.では患者さまにあった施術方法や競技復帰に向けて取り組んでいます。

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