あなたの爪は大丈夫? | 巻き爪の種類や改善方法を解説!
皆さんこんにちは。
joyplus.の金澤です。
タイトル通り今回は、「爪」について巻き爪補正士(ペディグラス社認定)としてこれまで多くの爪症状のお悩みに対峙してきた経験から「爪」についてお話しさせて頂こうと思います。
さて、皆さんご自身の足の爪を普段からちゃんと管理していますか?
女性は男性に比べてペディキュアなどファッションでサンダルを履く事からご自身で爪を気にされる事も多いかと思いますが、ほとんどの方は爪を日常的に気にされていないと思います。
・何となく爪の形悪かったけどペディキュアでごまかしていた
・深爪の方が気持ちいい
・痛かったけど放置していた
という言葉は、ご相談頂く方の中に多くいらっしゃいます。
このブログを読んでいただいている方の中にも、今まで生きてきて血豆や爪剥がれ、深爪の痛みなど何かしら爪の症状に遭遇した事があると思います。
また、これまで特に爪の悩みを抱えた事がない方も、加齢や病気などの影響で今後爪の症状が現れる可能性は十分にあり、このブログを読んで頂く事で一人でも爪の悩みから解放される事を願って書きましたので、是非最後までご覧下さい。
爪の構造と役割を知ろう
基本的に手の爪も足の爪も同じ構造をしています。
手足で違う部分としては体重がかかるかどうかという点において、足の方が爪への負荷が大きくなっています。
また、人間が二足歩行で殆どの方が靴や靴下を履いている事から手よりも足の方が雑菌の増殖が速く不衛生になりがちですが、手も物に触れる事により接触感染の要因にもなります。
手足共に爪の基本構造を知っておく事で、爪の異常や足そのものの異常に気づきやすくなりますので、このセクションでは構造や役割などを掘り下げていこうと思います。
爪の解剖学Part①
ご存知の方もおられるかもしれませんが、実は爪自体は透明で爪の下の毛細血管が映し出される事により若干ピンク色に見えたり、体の状態や疾患により他の色に見えたりします。
爪表面の状態により乾燥状態がわかったり、色によって脱水状態がわかったりなど爪はあらゆる情報を伝えてくれます。ここではそんな爪の構造を紹介します♪
○爪母(そうぼ:ネイルマトリクス)
爪根(そうこん)を包み込んでいる部分の事で、主にここで爪が作られます。
○爪根(そうこん:ネイルルート)
爪の根本部分です。爪根は出来立ての爪で爪半月(そうはんげつ)よりも柔らかく、保護の為露出しない様に後爪郭(こうそうかく)で囲まれています。
○爪半月(そうはんげつ:ルヌーラ)
爪甲(そうこう)の端の部分で甘皮(あまかわ)の近くにある白い色の半月形の部分で、出来立ての柔らかい爪です。
○爪甲(そうこう:ネイルプレート)
爪床(そうしょう)に乗っている爪の部分です。薄らとした色が入っているものの、ほぼ透明で爪床の毛細血管の色が透けて見える為健康な爪甲はピンク色をしています。
○爪先(そうせん:フリーエッジ)
爪が伸びて爪床(そうしょう)から離れて白く見えている部分。
○黄線(おうせん:イエローライン)
爪甲(そうこう)と爪先(そうせん)の境にある黄色に見える線。
○後爪郭(こうそうかく:ネイルフォルド)
出来立ての爪を守る皮膚の部分。
○甘皮(あまかわ:キューティクル)
後爪郭の1番端の部分で0.5〜1㎜程度の薄い皮膚です、雑菌が体内に入り込まない様に保護する役割があります。
○側爪郭(そくそうかく:サイドウォール)
爪の両端にある厚い皮膚で、爪を支えたり衝撃から爪を守る役割があります。
○爪溝(そうこう:ネイルグルーブ)
爪床と側爪郭の間の溝で爪の通り道。
○爪床(そうしょう:ネイルベッド)
皮下組織の一部で爪甲がその上にあります。爪床には爪甲形成維持に必要な栄養を運ぶ血管が通っており、神経も通っています。
○爪下皮(そうかひ:ハイポニキウム)
爪甲と爪床の間にある細胞。
○末節骨(まっせつこつ)
足趾(足のゆび)の末端の骨。
○側骨間靭帯(そくこつかんじんたい)
末節骨のサイドに沿って中節骨方向へつながる靭帯。
数多く挙げましたが、実はこれだけの組織と構造によって爪周囲が成り立っています☝️
爪の構造Part②
あまり知られていませんが、爪甲は1枚のプレートで形成されているのではなく3枚のプレートがくっついて1枚の爪になっています。
また、3枚のプレートは衝撃に耐える強度を作るために「タテ・ヨコ・タテ」の互い違いになる繊維構造をしていて、爪の分厚さについては爪母の長さによって決まります。
※ネイルマトリクス=爪母
また皆さん一人一人爪の形が違うのですが、爪の形は末節骨(まっせつこつ)の形状に影響を受けるので遺伝的や小さな頃から履いている靴の影響などにより爪の長さや横幅に個人差が出来てきます。
ラケット爪と言われている爪の場合、図に描かれている様に鏃(やじり)の様な形の末節骨が短く横に広がっています。
爪の豆知識
爪甲の主成分は皮膚や髪の毛と同じケラチン(タンパク質)で出来ており、諸説ありますが手の爪は3㎜、足の爪は⒈5㎜伸びると言われています。
また、第1指が1番早いという説や3指が1番早いという説など様々ある様ですが、どの説でも第5指の速度が1番遅い様です。
また加齢によってそのスピードは遅くなり、同時に乾燥して硬く、また脆くなりやすくなります。
よく爪症状の相談を受ける際に「どの病院に行ったらいいかわからない」「何科に行ったらいいのかわからない」という言葉を聞きますが、先程述べたとおり爪は皮膚と一緒の組織なので皮膚科に受診する形になります。
爪の症状を知ろう!
冒頭にも書きましたが、深爪や血豆(ちまめ)、その他細かい事も含めて皆さんこれまで何かしら爪の異常あった経験はあるのでないでしょうか。
ただ手足の爪の状態をパッと見て異常があるかないか、異常があったとしてそれが何なのか、わかる方は少ないと思います。
逆に知っているだけで異常があるのか、受診が必要なのかどうかの判断がつきやすくなりますので、ここでは手足含め一般的によくある爪の疾患や症状などをご説明していきます!
代表的な疾患
・匙状爪(さじじょうづめ/スプーンネイル)
爪甲の中央部分が凹んだり、爪先が反り返った状態になります。
無理なダイエットや遺伝などにより鉄分やビタミン2、ビタミンCが欠乏して発生します。また、指に過度な圧力がかかる仕事や極度の深爪、薬品への接触が原因となる場合もあります。
・ヒポクラテス爪/ばち状指
正常な爪は後爪郭(こうそうかく)から爪先に向けて160°程度なだらかに下っていきますが、ヒポクラテス爪の場合は180°となり、それ以上になるとばち状指と言われます。
肺疾患や心疾患、肝硬変大腸癌などあらゆる内臓疾患が起因となる事が多く特に肺由来の疾患に多いとされていて、他にはリウマチやアルコール摂取に起因するケースもあります。
・点状爪甲凹窩(てんじょうそうこうおうか)
爪表面に出来る点状の凹みの事を言いますが、原因がいくつか存在しますので紹介します。
円形脱毛症による凹み
大きな心理的ストレスや無理なダイエットにより円形脱毛症となり、その影響が爪に出るもので、凹みが横一列に並んでいる事が特徴です。
乾癬(かんせん)症による凹み
乾癬は非伝染性の皮膚病に一種で、判断には医師の診断が必要です。また円形脱毛症の場合とは異なり、凹みがまばらに散乱しています。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)による凹み
乾癬症と同様非伝染性の皮膚病で判断には医師の診断が必要です。原因ははっきりわかっていませんが、爪そのものの凹みよりも周囲組織の水疱が特徴で、水虫とは違って膿のような水疱色をしています。
その他感染症など
・白癬菌(はくせんきん)感染※爪水虫
白癬菌というカビ菌が繁殖した場合に、爪が白もしくは黄色に変色します。また、爪自体が厚くなってボロボロ崩れたり剥がれたりするとともに、感染力を持つ為自分自身の他の爪や他人に感染します。
・緑膿菌(りょくのうきん)感染※グリーンネイル
緑膿菌というバクテリアが繁殖した場合に爪が緑色に変化します。
重症または末期になると黒く変色したり、臭いの発生や稀に爪が抜け落ちる場合もあります。
・爪甲剥離(そうこうはくり)
何らかの原因で(洗剤、溶剤、衝撃、病気等)により爪が損傷し、爪床(そうしょう)から剥がれます。爪母に異常がなければ基本的に正常な爪が再度生えてきますが、細菌感染や爪母が損傷している場合、異常な爪が生える事もあります。
赤い爪(内出血)
打撲による内出血の場合は約一週間で殆ど消滅しますが、最後の方は黒く変色したり打撲部位によっては爪甲剥離になります。その他にも溶剤や洗剤によって内出血を起こすケースや腎不全などの内臓疾患を伴う内出血もあるので注意が必要です。
・黒い爪(黒子:ホクロ)
肌に出来る黒子はほぼ円形をしていますが、爪の場合は縦の線状で現れます。
色は濃淡様々ですが、黒子に機械的刺激を加えすぎると稀に悪性腫瘍に変化する場合があるので注意が必要です。
巻き爪etc
痛みで我々を困らせる爪の形状変化についても触れておきましょう。
※ここで挙げさせていただく巻き爪と陥入爪は違う病態として紹介しますが、巻き爪の中の陥入爪として紹介されているものもあります。
・巻き爪(主に足のゆび)
正面から見て爪の端が内側に巻き込むように変形した状態の事を指します。
角度によって爪の端が皮膚に食い込んで痛みを引き起こすとともに、中には皮膚を傷つけて出血する場合もあります。
足回りには雑菌が多く存在する為、出血部位が化膿して指全体がパンパンになっている場合や膝や股関節にあるリンパ節が腫れてしまい、痛みで動かす事が出来なくなるケースもあるので安易に放置する事は危険です。
原因は遺伝や合っていない靴、生活様式や疾患由来など様々ですが、基本的には関節や変形により足の構造破綻が原因となっている事が殆どです。
・陥入爪(主に足のゆび)
パッと見た感じでは巻き爪と同じように見えますが、単純に爪が巻いている状態だけではなく爪周囲の皮膚が盛り上がっていて爪自体が沈み込んでいる状態です。
中には爪は巻いていないのに陥入している場合や、爪の端が見えにくい事から気付かないうちに出血しているケースも少なくありません。
基本的な原因は巻き爪と同様ですが、深爪をしている方は特に発生しやすい傾向です。
・二枚爪(にまいづめ)
正式には「爪甲層状分裂症(そうこうそうぶんれつしょう)」と言われます。
実は1枚に見える爪は3層から成り立っていて、その層が分かれてボロボロになったり剥がれたりすることを二枚爪と言います。
また薄く剥がれた状態になる方や元々爪が肥厚傾向にある方は爪の途中からハッキリと違う爪が生えている様になっている方など様々です。
基本的には薬品使用やジェルによる刺激、栄養不足、血行不順などが原因となりますが、足の場合には爪水虫の原因になる事もありますので注意が必要です。
普段からの管理やケア方法
途中にも書きましたが、爪は皮膚と同じ組織に分類されます。
普段から状態を観察しておく事や清潔かつケアする事によって疾患予防や健康的な爪を保つ事が出来ますので、ここでは爪の管理やケアの仕方についてご説明していきます!
爪の切り方
日本人の爪は平均して1ヶ月に約1.5㎜伸びると言われていて、基本的には指(趾)先端から1〜2㎜後退した位置で切り揃えておく事が理想です。
手の爪に関しては体重を受け止める事がない為、女性のファッションや仕事の兼ね合いなどで長さの自由度は高いですが、足の爪は靴や体重の影響を大きく受ける為普段から長さに気をつける事が大切です。
爪の切り方の種類についていくつか紹介しますが、理想的な爪切りの形は「スクエアオフ」や「ラウンド」とされていて、基本的に爪先の端を深く切らない事が理想です。
また爪切りでいつも切り過ぎてしまう方は、「ファイル(爪やすり)」を使用すると安全に爪の長さを揃える事が出来ます。
爪のケア方法
途中でも書きましたが、爪は皮膚と同じ構造をしていますのでケア方法も似ています。
・保湿
爪専用の保湿剤やクリーム、爪専用のオイルもありますが、身近なものとしては化粧水や乳液、ハンドクリームなどを爪までしっかり塗る事でも代用出来ます。乾燥しがちな手洗い後や入浴後にはしっかり水気を拭き取って爪まで保湿する癖をつけましょう。
・栄養補強
爪は主にケラチンというタンパク質でできている事はここまでで説明しましたが、他にも亜鉛や鉄分、ビタミン、ミネラルも必要で、これらの栄養素が協調して働く事で体内の機能を保っています。
タンパク質以外で不足している栄養素を補う事も丈夫な爪を保つ要素になりますので、バランスの良い食事を心がけるとともに先程あげた栄養素を中心としたサプリメントを摂取する事も方法の一つです。
・爪の補強
上にあげたケアを続けても「爪が割れてしまう」「爪が弱い」場合には、マニュキュアやペディキュア、ジェルネイルなどで普段から補強する事も一つの手です。
ただし過度な補強や雑に補強すると、返って乾燥したり隙間で菌が繁殖して感染症の原因となる場合がありますので、ご自身で補強される際にはご注意いただく事と、難しい場合は爪を専門に扱っているお店に相談しましょう。
足の運動
爪の健康を保つ上でまずは良い血行を保つ事が非常に重要で、良い血行の為には運動やストレッチする事が1番有効です。しかし、中々積極的に取り組むのは時間的にも意識的にも難しいもの…
そんな方の為に、テレビを見ながらでも、家事をしながらでもついでに出来る運動を紹介します!
・タオルギャザー
・指ストレッチ
・グーパー運動
たまには自分の爪を見る習慣
今回爪の解剖学から代表的な症状や疾患、ケア方法について書かせて頂きましたがいかがだったでしょうか。
今回の記事の内容を頭に入れておく事で、何か爪や足回りにおいて違和感があったり、いつもと違う感覚があった際に気付く事が出来ると思います。
冒頭にも書きましたが日常的に爪を管理している方は少なく、「もっと早く爪の状態に気付いていたら…」という方は結構いらっしゃいます。大切な事は「最初の違和感に気付く事」です。
爪に関してではなく、足全体の事でのお悩みや痛みをきっかけとして爪の異変に気付かれる方もいらっしゃいますので、「最初の違和感」を感じられた方は是非お気軽にjoyplus.受付に一度声をかけてみてください。
※つかしん院では、巻き爪補正の施術やその他症状の対応が可能です。
※画像元:株式会社ペディグラス