夏の季節に冷え症状?!|冷房病(クーラー病)対策!
外気温が上がってくると、オフィスの冷房の設定温度も低くなってきます。職場の冷房が効きすぎて体がつらいという人は少なくありません。
我慢して働いていると冷房病になってしまう可能性もあり、対策が必要です。
クーラー病という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょうが、実際にクーラー病の詳細をご存じの方は少ないのが現状です。
今回は、クーラー病とはどんなものなのか、自分でできる冷房対策とオフィス全体でできる対策について紹介します。
冷え性チェック
同じ冷え症でも、冷えのタイプや症状はさまざまです。冷え症のタイプは主に4つに分かれるといいます。
腰から下が冷える「下半身型」。手先足先が冷える「四肢末端型」。お腹が冷える「内臓型」。そして、全身が冷える「全身型」です。
冷えている感覚が少しでもある方は、ご自身の感覚が、次のどのタイプにあてはまるかを確認してみてください。
セルフチェック!
Q1.手足の冷えの状態は?
(A)手も足も冷たい
(B)足は冷たいが手は温かい
(C)足も手も温かい
Q2. 汗のかき方は?
(A)あまりかかない
(B)上半身にかきやすい
(C)全身にかきやすく 冷えやすい
Q3.食事の量は?
(A)少なめ
(B)普通
(C)多め
Q4.冷えやすい場所は?
(A)手と足の先
(B)足先やふくらはぎ
(C)下腹部や二の腕
Q5.冷えたときの症状は?
(A)頭痛や不眠
(B)顔のほてり
(C)お腹の張りや腹痛
▪️(A) が多い・・・四股末端型
▪️(B) が多い・・・下半身型
▪️(C) が多い・・・内臓型
▪️(A)が多く 体温が常に低い・・・全身型
※ポイントが同数の場合は、混合型の可能性があります
各タイプの症状)
・下半身型
主に、腰から下の下半身が冷える。お尻やふくらはぎの筋肉のコリによる血行不良が原因。いわゆる「冷えのぼせ」の症状を起こすことも。
加齢とともに起こりやすい。
・四肢末端型
食事の量が少ない、運動不足などの生活習慣によって交感神経が過剰に働き、手先足先の血管が収縮して起こる。
10~20代の女性に多い。
・内臓型
主に交感神経の働きが弱いことが原因で起こる。手足は温かいが、下腹部や二の腕に冷えを感じたりする
お腹を下したりする症状を伴う。
・全身型
ストレスや生活習慣の悪化によって、基礎代謝の低下が原因となって起こる。
ただし、甲状腺の病気などが潜んでいる可能性もあるので、医療機関で検査が必要。
クーラー病の対策
クーラー病は、エアコンの使い方を含め、服装や食事、運動など毎日の生活習慣と深いかかわりがあります。
予防や対策のために、自分の生活を今一度見直してみましょう。
1 エアコンの設定
エアコンの設定温度は室内と屋外の温度差が「5℃以内」であることが理想的と言われています。
それ以上の温度差は体を疲労させ、クーラー病の原因となります。
エアコンの温度は、外気温との差が5℃以内、大きくても7℃以内に収めるように設定します。
エアコンの標準的な設定温度は、25~28℃が良いとされています。ただし体感温度は人によって違うので、「寒い」「冷える」と感じない温度が基本となります。
エアコンの冷風を体に直接受けないように、吹き出し口の向きに注意しましょう。
冷風に直接当たると、体温が急速に奪われます。
また、汗をかいた状態で冷気に当たると体を冷やし過ぎてしまい体調を崩す原因になるため、風向きを調節し、冷風を体に直接受けないようにしましょう。
エアコンと扇風機を併用することでクーラー病を防ぐことができます。
エアコンの冷気を扇風機の風を利用して室内で循環させることで、エアコンの設定温度が27~28℃と高めでも快適に過ごすことができます。
冷気は下に降りてくるので、扇風機を上向きにセットして冷気が部屋全体に循環するようにすると良いでしょう。
2 服装の調整
クーラー病予防の服装の対策ポイントは首とお腹です。
襟のついたシャツを着てスカーフなどで首の部分を巻くようにしましょう。
また膝掛けは膝にかけるのではなく、お腹の部分にかけてお腹を暖めることも効果があります。
お腹を締め付けるガードルなどの下着は血行を悪くしますので、避けるようにしましょう。
クーラー病対策に有効なのが腹巻です。
冷えから胃や腸の不調を起こす人は多いですが、その場合は腹部を温めると全身の温度が上昇しやすくなります。
腹巻は腰まわりの冷えも防ぐので、腰痛の予防にもなります。
エアコンの冷気がたまりやすい足元にも工夫が必要です。
厚手の靴下やハイソックスを利用する、冷えが強い場合はズボンの下にレッグウォーマーを着用する方法もあります。
3 運動
クーラー病対策で欠かせないことは、体を動かして血行を良くすることです。一日中、冷房のきいた部屋にいることは避け、時々外へ出て運動しましょう。
冷えをもっとも感じやすいのは足先です。
エアコンの冷気は下へ降りてきて床近くにたまります。ですから足先が冷え、足は心臓から遠いため血液の流れが悪くなりやすいのです。
仕事中でも1時間に1度くらいは席を立ち、少し歩いたり、軽い屈伸運動をしたりして足先の血液の流れを改善しましょう。
席を立てない場合は、つま先とかかとを交互に上げ下げするだけでも血流がよくなります。
日頃から歩くことも大切です。ウォーキングを続けていると、足の筋肉が適度に強化されて血流がよくなり冷えにくい体質になります。
4 入浴
入浴は、クーラー病だけでなく慢性的な冷え性の予防にも効果があります。
夏はついシャワーだけで済ませたくなりますが、お風呂にゆっくり入ったり、寝る前に体をマッサージしたりするなど、血行を良くすることを意識しましょう。
お湯につかると足が温まるだけでなく、水圧によって血流もよくなります。
お湯のなかでふくらはぎを軽くマッサージすると、クーラー病対策が一層高まります。
また、お湯の温度は低めにしてゆっくりつかると、湯冷めによる体温の低下を防ぐこともできます。
クーラー病とは!
クーラー病の原因は冷房(エアコン)が効いた部屋に長時間居ることや、冷房の効いた室内と暑い室外の往復で身体が順応しきれなくなり自律神経に乱れが出てしまう症状です。
私たちの体は、自律神経の働きによって外気温に順応できるようになっています。
夏場は体温を下げるため血流を良くして汗をかきやすくしますが、クーラーのかかった部屋に長くいると、今度は体温をキープしようとして血管を収縮させ、血流を抑えます。
そのため、冷えにつながるのです。
このようなことを1日に何度も繰り返していると、自律神経のバランスが崩れ、気温差に体がついていけなくなります。
その結果、体のだるさや頭痛、腹痛、下痢、便秘、女性の場合は生理不順など、さまざまな体調不良が生じます。
クーラー病と呼ぶこともあれば冷房病という呼び方をすることもありますが、どちらも正式な病名というわけではありません。
また熱中症や夏バテと混同されることが多いですが、それぞれ発生原因や症状が異なります。
似ているようで異なる「夏バテ」「熱中症」「クーラー病」
今回はクーラー病にスポットをあててますが、冒頭で少し触れたように夏の暑さがリスクとなる症状や他にも「熱中症」があります。
また、一般的に夏の暑さで身体がだるくなる、疲労を感じることからくる症状を「夏バテ」と表現することもあります。
では一体これらは何が違うのでしょう?
実は似ているようで異なる「夏バテ」「熱中症」「クーラー病」について少しご紹介させていただきます。
夏バテの原因、主な症状
夏バテの主な原因は、冷房が効いた涼しい室内と炎天下の室外を行ったり来たりして、
「体温調節機能がうまく働かなくなる」
ことで起こるものです。
体温調節機能が上手く働かず、暑い室外に出てもうまく汗をかくことが出来ず、身体に熱がこもりやすくなってしまうことで以下のような症状が引き起こされてしまいます。
● のぼせ
● 熱感
● 身体のだるさ
● 食欲不振
● 便秘や下痢
熱中症の原因、主な症状
熱中症とは、室内・室外関係なく「夏場特有の高温多湿」の環境に身体が順応しきれなくなることが原因で起こるものです。
症状は人により様々ですが主な症状は以下のとおりです。
● めまい
● 発熱
● 痙攣(けいれん)
● 異常発汗
● 意識混濁(意識がはっきりしない)
症状をご覧頂くだけで夏バテとの明白な違いはお分かりだと思いますが、熱中症は直ぐに対処しなければ最悪命を落としてしまう危険性すらあるため早期の対応が必要です。
クーラー病の原因、主な症状
人間の体温調節をつかさどる自律神経は5℃以上の急激な気温変化には対処することができません。
そのため大きな気温変化が繰り返されると、体温を下げる交感神経と体温を上げる副交感神経のバランスに異常をきたし、自律神経失調症と同様の症状があらわれるのです。
では、クーラー病によって起こる体調不良にはどのような症状があるのかみていきましょう。
主なクーラー病の症状は、以下の通りです。
● 足腰の冷え
● 疲労感、だるさ
● 肩こり
● 頭痛
● 食欲不振
● 神経痛、腰痛
● 下痢、便秘、腹痛
● 不眠
● むくみ
● 頻尿
● 鼻炎
● 月経不順
冬も夏同様、室内外の気温差は大きいですが、厚着により体温調節機能がカバーできるためクーラー病のような症状をきたすことはほとんどないとされています。
クーラー病との見分け方
クーラー病・熱中症・夏バテを比較してみると同じような症状も多いです。
そのためこれらを明確に見わけることは厳密に言えば難しいことですが、クーラー病特有の症状を強いてあげるのであれば「手足の冷え」「寒気」などです。
「熱感」が主な症状の夏バテや熱中症にたいして、冷房が効いた室内で自律神経の乱れが原因で起きてしまうクーラー病では「冷え」が主な症状になります。
ただ、正直なところ症状は人それぞれの部分も多いため明確な違いは分かりづらいのが現状です。
もし、筋肉が痙攣したり、意識が少しでも朦朧(もうろう)としたりするなどの症状を感じた場合はすぐに医療機関を受診されることをおすすめします。
その他の症状でもいつもと違う異変を感じればしっかりと水分を取り、栄養価の高い食材を摂取するなどの対策を取り症状が改善しない場合は医療機関の受診をおすすめします。
医療機関へ相談ください!
ここまでの内容でクーラー病がどういうものなのか、ご自身で出来ることを少しご理解いただけたと思います。
次はクーラー病に対して医療従事者に相談した場合の施術方法について説明していきたいと思います。
徒手加療(マッサージ)やストレッチ
体の状態を把握した上で、徒手加療(マッサージ)やストレッチを用いて、筋の緊張を取り除き、血流やリンパの流れを促し、症状を改善させます。
筋緊張を緩和させることでリラックス効果もあり自律神経のバランスを整える効果もあります。
鍼灸治療
鍼灸施術は、自律神経のはたらきを助ける効果が期待できます。
自律神経の乱れによって引き起こされるクーラー病には、まず鍼灸で血流を促進し交感神経の興奮を抑制。お身体をリラックス状態に導きます。
結果として、体温調整をおこなうために頑張りすぎていた自律神経を休ませ、再び正常な機能を発揮できるようになります。
温熱療法
緊張部位や冷えている部位に温熱刺激を加えることにより血流改善や筋緊張の緩和を目的に行う方法で「ホットパック療法」や「ラジオスティム」などがあります。
クーラー病は日ごろのケアや対策が大切です。
今回は、クーラー病について説明させていただきました。
クーラーは便利で快適な夏には不可欠なツールになっていますが、冷え性のリスクと隣り合わせという側面もあります。
冷え性は自律神経が乱れ、いろいろな症状を引き起こします。
今回の記事を読んでいただき、少しでも冷え性の予防や改善に役立てていただければと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
参考資料
た。
▪️参考資料
冷房病とは?症状と予防策【医師監修】 【病院なび】 (byoinnavi.jp)
夏バテと思ったらクーラー病(冷房病)!?体調不良を改善する9つの対策【医師実践】 | WELLMETHODWELLMETHOD