子どもの腰痛は骨折かも⁉︎ | 腰椎分離症を徹底解説
こんにちは、joyplus.西宮鍼灸整骨院セラピストの塚本です。
突然ですが、皆さんの周りに部活動やスポーツをしていて、腰に痛みを訴えているお子さん・学生さんはいませんか?
『痛いけど、プレーは出来るから大丈夫!』と、お子さん・学生さんの言うことを鵜呑みにして、そのまま放置してしまうと取り返しのつかないことになるかもしれません。。。
もしかするとその腰の痛み、「骨折」からくるものかもしれません!!
『え?ぶつけたり、こけたりしていないのに骨折なんてするの!?』
はい、十分にあり得ます。
そこで、今回はお子さん・学生さんに発生する腰部の骨折「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」について書かせていただきます!
大きなテーマとして
・腰椎分離症(ようついぶんりしょう)とは何か? 概要~発生メカニズムについてと、腰椎分離症になりやすいお子さんの特徴
・腰椎分離症予防エクササイズ
以上の2つに分けて説明していきます。
このブログを読んで、腰痛に悩むお子さん・学生さんに少しでもお力添えができればと思います!
目次
腰椎分離症ってそもそも何!?-概要~発生メカニズムとリスクファクターを徹底解説!!-
冒頭でもご紹介した、お子さん・学生さんの腰部の「骨折」―腰椎分離症(ようついぶんりしょう)―。
ここでは腰椎分離症が
どんなものなのか?
どのように発生するのか?
どんなお子さんがなりやすいのか?
を徹底解説していきます!
まず、最初に腰椎分離症とはどのようなものかをご紹介していきましょう。
腰部の骨折ー腰椎分離症(ようついぶんりしょう)ーとは?
結論からいうと腰椎分離症とは、腰椎(ようつい)の疲労骨折(ひろうこっせつ)のことです。
。。。と、いきなりいわれてもあまりピンと来ないですよね💦
そこで、腰椎分離症を詳しく説明する前に、解剖学の視点から腰椎を見てみましょう。
身体の中心にある背骨は、椎骨(ついこつ)という骨が積み木状に重なって構成されています。
その中の、腰のあたりの椎骨を腰椎(ようつい)といいます。
基本的に5つの腰椎から腰の骨は構成されています。腰椎1つだけとって上からみるとこんな形をしています。
そして、腰椎分離症では腰椎のどこが折れるのかというと。。。
この画像の矢印部分、腰椎の椎間関節突起間部(ついかんかんせつとっきかんぶ)という部分が骨折している状態のことを腰椎分離症といいます。
発症年齢としては10代の、特にスポーツ活動を活発に行っているお子さん・学生さんに多く発症するといわれており、女子よりも男子に多い傾向にあります。
また、椎間関節突起間部は骨の癒合(ゆごう:骨折した骨がくっつくこと)しにくいところでもあります。
腰椎分離症は、適切な処置が行われなければ偽関節(ぎかんせつ)といって、骨が癒合しないまま治癒してしまう状態となってしまい、慢性的な腰痛を抱える可能性があるのです。。。!
それでは、次に腰椎分離症の発生メカニズムについて説明していきましょう!
この動きが危ない!!ー腰椎分離症の発生メカニズムー
前述のように腰椎分離症は、スポーツ活動に力を入れているお子さん・学生さんが発症しやすく、特にその中でも野球・サッカー・バレーボールなどの競技を行っている場合が多いです。
そしてこれらの競技の共通点として。。。
体幹(たいかん)の伸展(しんてん)・回旋(かいせん)動作が多い
といった特徴があります。
伸展(しんてん):身体を後ろに反らす動きの事です。画像6
回旋(かいせん):身体(この場合は主に上半身)を左右にねじる動きの事です。
体幹に伸展動作と回旋動作が同時に加わることにより、上下に隣り合う各腰椎の椎間関節突起間部どうしが接触しやすくなります。
その軽微な負荷が繰り返し起こることで、骨が傷つき腰椎分離症を引き起こすのです。
また、伸展・回旋時に椎間関節突起間部にかかる負荷についての研究によれば、
椎間関節突起間部にかかる負荷は回旋方向と反対にかかりやすいとされています。
例えば右回旋をした場合、左側の椎間関節突起間部に負荷が生まれることになります。
実際のスポーツ動作でみてみると。。。
・野球では、ワインドアップ期~コッキング後期
・バレーボールでは、アタック時のテイクバック~アクセラレーションにかけて
・サッカーだとキック時のテイクバック
などの動きの際に、体幹を回旋した方向と逆の椎間関節突起間部に負荷がかかり、腰椎分離症を引き起こす要因となるのです。
しかしこれらは、各スポーツを行う上でそこまで特別な動きではありません。
それなのに、腰椎分離症を発症してしまうお子さんと、そうでないお子さんがいるのはなぜでしょう?
それでは、次に腰椎分離症になりやすいお子さん・学生さんの特徴を説明していきます。
お子さんのココをみて!~腰椎分離症になりやすいカラダの特徴~
スポーツをしているお子さんが腰椎分離症を発症する、しないの違いは何でしょうか?
練習量の多さからくるオーバーワーク、身体の使い方が上手くいかないことによるフォームの不良などありますが、特に注目するのは。。。
筋肉の柔軟性の低下です!
ある研究ではモモの前の筋肉、大腿直筋(だいたいちょっきん)
股関節から腰部をつなぐ筋肉である腸腰筋(ちょうようきん)
この2つの筋肉の柔軟性の低下が腰椎分離症のリスクを高めるという報告があります。
大腿直筋と腸腰筋の柔軟性が低下していると、筋肉は短縮しやすく、伸び縮みしにくくなります。
そうなると、大腿直筋は骨盤(こつばん)の前傾(ぜんけい:骨盤が前に倒れるように傾く状態)を、
腸腰筋は腰椎の伸展を強めてしまい、
前述の椎間関節突起間部(ついかんかんせつとっきかんぶ)にストレスを与えることとなり、腰椎分離症発生に大きく影響してくるのです。
まずは、大腿直筋と腸腰筋の柔軟性を向上させて、運動中に椎間関節突起間部(ついかんかんせつとっきかんぶ)に負担の掛からない身体作りが必要です!
それでは次に腰椎分離症を予防するエクササイズをご紹介していきます。
腰椎分離症の予防に効果的♬自宅でできる簡単エクササイズ
それでは、ここから腰椎分離症の発症リスクの一つである、大腿直筋と腸腰筋の柔軟性を高めるエクササイズです。
この二つの筋肉の柔軟性を上げることで、運動中だけでなく日常生活での骨盤や腰椎の負担を軽減することができますので、是非お子さんとご一緒にチャレンジしてください!
では早速、大腿直筋(だいたいちょっきん)のエクササイズから行っていきましょう♪
自宅でできる簡単エクササイズー大腿直筋のエクササイズー
はじめに、大腿直筋(だいたいちょっきん)のエクササイズを行います。
1.エクササイズをする方の脚が上になるように横向きに寝ます。
2.反対の脚の股関節(こかんせつ)・膝関節(ひざかんせつ)を90度位に曲げます。
3.上の脚のかかとをお尻に近づけるように膝を曲げていきます。
4.3の姿勢を20秒キープ。これを3~5セット行いましょう。
※膝を曲げるときに腰が反らないように注意しましょう。
※エクササイズ中、腰や膝に痛みが出る場合は無理せずに中止しましょう。
動画を見て、より効果的に行いましょう!
では、次に腸腰筋(ちょうようきん)のエクササイズを行います。
自宅でできる簡単エクササイズー腸腰筋のエクササイズー
次に、腸腰筋(ちょうようきん)のエクササイズを行います。
1.両膝立ちの姿勢からエクササイズをしない脚を前方に出します。
2.前方に出した脚の膝に手をのせて、前に身体を倒していきます。
3.2の姿勢を10秒間キープします。これを2セット行いましょう。
※腰が反らないように注意しましょう。
※エクササイズ中、腰や膝に痛みが出る場合は無理せずに中止しましょう。
動画を見て、より効果的に行いましょう!👇
「身体硬いけど、運動できる!」、じゃすまされない…分離症を放っておくと?
エクササイズは、しっかりと出来ましたか?
筋肉の柔軟性は一朝一夕ではなかなか改善していきません!
毎日のルーティーンとして各エクササイズを行っていきましょう。
もし、身体の柔軟性を放置して腰に痛みがあるまま、運動を継続して腰椎分離症が起きてしまうと、偽関節(ぎかんせつ)という骨折した骨が完全にくっつかないままの状態になってしまいます。
そうなると運動中だけでなく日常生活でも慢性的な腰痛を抱えてしまう可能性があるのです。
joyplus.鍼灸整骨院では様々なアプローチで腰椎分離症の痛みを改善します
joyplus.鍼灸整骨院では、柔軟性の改善に特別ペアストレッチメニューや、筋肉の疲労を回復させるマッサージメニューもございます。
また、身体の使い方を評価して、より腰部に負担の掛からない運動指導やトレーニングも提案しています。
痛みで日常生活まで支障が出ているお子さんなどに対しては、疼痛緩和を目的とした特殊電気治療や鍼灸治療も行うことができます。
おやっ?と思ったときはjoyplus.鍼灸整骨院まで
スポーツ活動を行うお子さん・学生さんに発症する腰椎分離症を説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
先程のエクササイズはあくまでも腰椎分離症の予防の一つです。
概要のところでも説明しましたが、腰椎分離症は腰の骨の「疲労骨折」です。
状態によっては、大人になってからも慢性的に腰痛に悩まされる場合もあります。
このブログをお読みいただいた皆さんが、お子さん・学生さんのちょっとした変化にも気づいてあげられるようになってくだされば、幸いです。
joyplus.鍼灸整骨院では、お子さん一人一人の身体の状態やスポーツ活動に合わせた施術や運動指導も行っております。
お子さんの様子が、おやっ?と思われたらお気軽にjoyplus.鍼灸整骨院までお尋ねください
最後まで読んで下さり、誠にありがとうございました。