新しい腰痛の付き合い方とは?|ヒントは仏教にあり     

こんにちは。joyplus.鍼灸整骨院の“通称きん爺”こと堤です。(筋肉をこよなく愛する中年セラピストで、きん爺と呼ばれています。)

本日のテーマは腰痛症シリーズ第五弾「腰痛との付き合い方」のお話です。今回は科学的な根拠に基づくお話ではなく、一個人としての腰の痛みに対する考察をしてみました。

私が若い頃から興味があり、恐縮至極に存じますが、選りすぐりの好きな禅語を挙げながら、皆さんの腰痛に対する新たな対処法になればこんなに嬉しいことはありません。


腰痛にとらわれない、人生を快適化するヒントを一緒に探してみませんか!! 

諸行無常
 その腰痛はずっと続かない


腰痛に悩まされている方は非常に多いと思います。腰に感じる痛み・・・。痛みは人間にとってとても大切な感覚です。

病院を受診する動機で一番多い症状は「痛み」であり、カラダの異常を知る最初のキッカケとなります。

そのため、人は痛みがあると、それから逃れようとさまざまな対処を行います。

一方痛みは日常ありふれた感覚であるため、自分の価値観や状態で痛みを判断しやすく、他人と共感するのが難しい感覚でもあります。

しかし、痛みはあまりにもありふれた言葉であるため、痛みを理解することが難しいことを意識している人はごくわずかです。

そのため痛みを訴えているヒトとそれを理解するヒトの間に認識のズレが生じ痛みの治療を複雑にしています。


これらのことから、痛みをもつ本人はもちろん、痛みに携わるすべてのヒトに

① なぜ痛みが起こっているか?
② この痛みは何を意味するのか?


など、背景にある色々な事柄を理解してもらわなければ痛みの治療はうまく進まないそうです。


しかしながら、現在、痛みに対する考え方や治療法は変革期に差し掛かっているようです。


ひと昔前、痛みの研究の中心は末梢や脊髄でしたが、今や研究の中心は脳へと移行し、その詳細なネットワークは解明されつつあります。


それと同時に,治療法も痛みの原因だけを対処するような方法では足りず、思考や食事など痛みの原因とは直接関係ないような因子に目を向けていくことが大切であるという認識に変化しています。


そのため痛み治療では
■ セルフケア
■ セルフマネージメント
の重要性が盛んに叫ばれているようになっています。

このように、痛み研究や臨床は日進月歩であるため新しい情報を常にアップグレードしていくしかありません!

・全ては常ならず移り変わるものである。

諸法無我 
その関係性は頼り合い・支え合い


怪我をして泣いている子供に対して「痛いの痛いの飛んでいけ!」とお母さんが呪文を唱えながら、痛い部分をさすっている光景をみたことはないでしょうか?

そして、その行為によって痛みが軽減した経験をもつヒトも多いのではないでしょうか?


自分の痛みを共有してくれたという安心感から、気分的に痛みが軽減するということも多少はあるでしょう。

しかし、現実的な問題として、いくら「痛いの痛いの飛んでいけ!」と呪文を唱えても痛みがなくなるとは思えません。

痛いところをさすったり、揉んであげたりする行為自体に、痛みを軽減させる要素があると考えるしかありません。


本来、カラダにとって痛みは警告信号です。痛みという情報を元にカラダを日夜防御しています。
しかし、一方で痛みは耐え難い苦痛です。

そのためカラダは痛みから逃れるための回避システムを使って危機的状態から脱しようと工夫します。


通常、そのシステムは作動していませんが、カラダをさすったり、揉んだりするなどの体性刺激を加えると、回避システムが作動し、痛みが和らぐように作られています。

このシステムを作動させるには様々な方法がありますが、鍼灸治療やマッサージなど昔から行われている治療法の多くは、これらの疼痛回避システムを効率よく作用させるための方法に他なりません。

カラダには痛みを回避するためのメカニズムが色々と備わっており、自らカラダを守るように作られているのです。


※ 体性刺激・・・感覚神経が興奮するには皮膚に存在する受容器が活性化される必要があるが、それぞれの受容器に適刺激となる触・圧・熱・冷・痛などの刺激がある。それを総称して体性刺激と呼ぶ。

・全ては本質的には定まったカタチを持たないものである。


和顔愛語
 「大丈夫だよ」「ナイスぅ~」
笑顔の絶えないロコ・ソラーレの姿~


北京五輪が終わりましたが、皆さんはどの競技、選手が記憶に残っていますか?

私はやっぱりカーリング女子の日本代表、ロコ・ソラーレの選手たちがひと際輝いていたように感じました。

ちなみにですが、チーム名の由来は「ローカル」と「常呂っ子」から「ロコ」+イタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」だそうです。

地元・常呂から太陽のように輝きを持ったチームになるよう、「太陽の常呂っ子」と名付けられました


カーリングにはスピード感や激しさはありません。しかも2時間半の長丁場。なのにひと時も目が離せない・・・。


何手も先を読み、正確無比な軌道で相手のストーンを弾き出すテイクアウト。自分のストーンを自由自在に操り、置きたい位置にピタッと止めるショット、ドローはまさに神業です。

結果、彼女たちは見事、2大会連続のメダルを獲得し、前五輪の銅メダルを上回る銀メダルという輝かしい成績をおさめることが出来ました。


国内での北海道銀行との熾烈な代表争いに競り勝ち、気の遠くなるほどの練習を重ねて、やっと手にした五輪の切符。


いつもうまくいくことばかりではないし、時には人知れず涙した日もあったはず。長時間の試合は気力も体力もすり減らす・・・。

なのに彼女たちの戦う姿は、笑顔が絶えず、楽しげなのです。根強く残る日本のスポーツ界の常識、多くの国民が抱く“過酷な身体運動で猛特訓に耐えてこその勝利”、“勝利は汗と涙の証”の固定概念が打ち砕かれます。


かく言う私も、学生時代は「試合に勝つことが全て」と熱血バスケ狂のひとりでした。

いきすぎた勝利至上主義を掲げチームメイトに容赦のない言葉を浴びせ士気を高めるどころか雰囲気も悪くなり、周囲はのびのびプレイできずに萎縮してしまう。

思い通りに動かないセンターには激を飛ばし、名ばかりのキャプテンとしての矜持を死守するため、自分の主張が全てだ、と言わんばかりになりふり構わずレギュラー陣を叱責していました。

若気の至り、苦い思い出と冷静に振り返っていますが、当時の血気にはやった無分別なリーダーシップを今はただ恥ずかしいと思う自分がいます。

元来、感情特に、怒りをコントロールする能力に欠ける老兵の私は、今だに獣の血が現れ周囲に迷惑をかけています。まだまだ未熟者です。


話が脱線してしまいましたが、お伝えしたいことは・・・
齢50にして、肩凝りや腰痛などカラダの不調には悩まされたことがない私ですが、この学生時代は時おりくる腰痛と闘っていました。

このような言葉があります。
■病は気から
■腰痛は心の叫びである
■腰痛は怒りである


まさに、当時を振り返ってみて腰痛の原因は怒り以外何モノでもなかったと考えています。勝つことに執着して大切なものが見えなくなっていたんだと思います。

楽しくやりたい、そう考えているチームメイトに生半可な気持ちで練習して勝負に勝てるほどスポーツは甘くないと、はき違えた持論をぶつけていく破天荒なリーダーでした。


連日のようにテレビから流れる「ナイスぅ~!」と明るくチームメイトに放つゆるい言葉が耳から離れません。

私がもし時間と時空を越えて30年前に戻って血眼になってバスケットボールを追いかけている自分自身に声を掛けるとしたら、こうです。
「こだわらず!とらわれず!!かたよらず!!!」

・和やかな顔と思いやりの言葉で人に接する。

腰の構造を知ろう!

少し腰というところについてお話します。胴骨は人体の体幹に属する骨で椎骨・肋骨・胸骨からなります。

腰椎といいますが腰は5個の椎骨から形成されています。ちなみに腰椎の上には頸椎が7個、胸椎が12個あり、下には全体として1個の仙骨をつくる仙椎、全体として尾骨と呼ばれる尾椎があります。

これら椎骨は全体として脊柱を形成しています。胸椎は肋骨および胸骨とともに胸郭を形成します。脊柱は32~35個の椎骨からなります。


頸椎、胸椎、腰椎と次第に容量を増し、第5腰椎は脊椎の中で最も大きいです。

腰椎は上半身の体重負荷、重量物の運搬に加えて大きな可動域が要求されるため、強固な力学的構造が必要となってきます。

第3腰椎と第4腰椎のあいだの椎間円板にかかる圧力は、立位時には体重の2倍となります。腰椎にかかる負荷量は、体位によって異なります。


椎間関節の向きは脊柱の部位で異なり、運動の許容範囲も異なります。


①頸椎・・・屈曲・伸展・側屈・回旋が可能です。

②胸椎・・・側屈・回旋・ある程度の屈曲と伸展が可能であるが、胸郭という単一構造としての運動であるため、その可動域は小さいです。

③腰椎の椎間関節は、水平面に対しては直角、前額面に対しては45°の傾きがあります。運動は屈曲・伸展・側屈が可能であるが、回旋はほとんどできないのです。


さらに関節と靭帯のお話もしますと、腰椎間、腰椎・仙椎間は普通の脊椎間の結合です。

寛骨各部の結合は成人では骨結合となります。恥骨結合は恥骨間円板による線維軟骨性結合です。

仙腸関節は仙骨と腸骨の耳状面のあいだにある半関節で、可動域はきわめて小さいです。

関節包は密で骨膜と強固に密着しており、関節を補強する靭帯には前・後仙腸靭帯、骨間仙腸靭帯、仙結節靭帯、腸腰靭帯などがあります。

腰部の筋は脊柱起立筋と総称され、表在には内側から棘筋・最長筋・腸肋筋があります。深層には横突棘筋として椎弓側より回旋筋、多裂筋、半棘筋が存在しています。


そして、第2の骨格と呼ばれる筋膜もカラダを安定させる働きがあります。

遊戯三昧にヒントあり?


そもそも、ヒトにはカラダをしっかり安定させる仕組みやサポートする働きが盛沢山です。

さらに、カラダには痛みから逃れるシステムも備わっています。そのメカニズムを破綻させている要因の一つは、不良姿勢とよばれるものです。

皆さんが何十年も使ってきた通りに、カラダには偏りが存在します。姿勢には気をつけているはずなのに、必ずといっていいほど悪い習慣があり、それをクセともいいます。

お仕事や愛好しているスポーツや趣味を行っている時の姿勢特性も加わり、無意識のうちに今の姿勢がカタチ作られてきてしまったのです。

もちろん、どこか痛い部位があると、カラダにはその部位をかばおうとして他の筋肉や関節に負担が生じ、それもまた姿勢が崩れることにつながってゆきます。

それでも私は思うのです。

カラダには私たちが考える以上に素晴らしい機能があり、思いのほか頑丈にできています。「心身ともに健康である」ことを目指すならば、何より、不安・焦り・怒りをうまく手放すということが大切なのかも知れません

・何ものにもとらわれることなく、自由である。厳しい環境でも自分ですることを楽しむココロ。

腰痛は克服できる!

皆さん、最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

私なりに腰痛とどう付き合っていくか医療人として臨床に携わる一人のセラピストとしての考え方をお伝えさせて頂きました。

このテーマが腰痛治療と関係ないお話だと感じる方ももちろんいらっしゃると存じますが、各分野でダイバーシティが囁かれる昨今、あらゆる角度から腰痛を理解しようとした時、僭越ながら私の個人的な考えを腰痛で悩んでる方に申し述べた次第です。

どうかご容赦ください。最後にこの言葉でお別れしたいと思います。「終わらない今日はない。やまない雨はない。どんな嫌なこともいつかは終わる」

整骨院で、施術可能な症状には対応致します。
ご不明な点やご質問などあればLINE@やメールでお問い合わせ頂ければ幸いです。

■参考文献
 □正しく理想的な姿勢を取り戻す姿勢の教科書(竹井 仁・ナツメ社) □よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ〔第2版〕(伊藤和憲・秀和システム) □仕事も人間関係もうまくいく放っておく力(枡野俊明・三笠書房) □リーダーの禅語(枡野俊明・三笠書房) □基礎運動学(中村隆一、斎藤 宏、長崎 宏・医歯薬出版株式会社)

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