ギックリ腰の経験はありますか?|まずはギックリ腰の原因から
Q:ギックリ腰になったことはありますか?
遊園地でジェットコースターに乗って、降りようとした時に腰に強い痛みが走って立ち上がれなかった。その時にこれがギックリ腰かと思った
旅行中、ちょっと腰が痛いなと思っていたら、ご飯を食べ終わり立ち上がろうとした時には腰が痛くて動けなかった。
駅まで向かうのもゆっくりしか歩けず、荷物もすべて友人に持ってもらうことになり申し訳なかった
自宅で掃除をしていてコンセントを抜こうと力を入れた瞬間腰に激痛が走った。これだけのことでギックリ腰になるのかと絶望した
さて、いくつかの証言を集めてみましたがどれを取ってもとても痛そうですね。
腰を痛めた時、誰もが「これがギックリ腰か!?」と思うかもしれませんが、実際のところギックリ腰とは何なのでしょうか?
このブログでは腰痛に悩んでいるであろうあなたが、読み終わった時に「ギックリ腰」というものは一体何が原因なのかなど、
納得のできる知識を得られるよう詳しく書いてみようと思います。
ギックリ腰の原因とは?
腰部、お尻、太ももなどが痛み、動いた時、時間によって変化があるものをギックリ腰と呼ぶとして、今原因が分かっているものは2種類挙げられます。
・仙腸関節炎
・筋膜性腰痛
の二つです。
仙腸関節炎とは?
仙腸関節は骨盤の関節部分であり、1ミリ単位でしか動かない関節と言われていますが、明らかな可動関節です。
体のクッション作用など、絶妙なバランスで体を整えている機能があり体にとって重要な役割を担っています。
中腰作業・長時間のデスクワーク・ソファーに深く座っている・朝起きる時など
これらの姿勢や動きがキッカケで、関節に小さなズレが生じると、
関節の回りの靭帯組織が過度に緊張したり、神経が刺激されることでお尻や脚にも痛みが発生します。
仙腸関節炎は女性に多い傾向にあります。私はそれは女性の『性周期
』との関係があるのではと個人的には思っています。
女性ホルモンの影響で靭帯がゆるくなる状態は月経期より前に起こっているものですが、月経の期間中も残ります。
そして筋肉が安定するホルモンは生理前の黄体期にのみ高いので、関節周囲の筋肉は生理の時期にはイマイチ頼りないのです。
そういったホルモンの作用などが影響し、女性の仙腸関節炎は女性に多いのではと考えます。
筋膜性腰痛とは?
筋膜性腰痛とは、腰周りの筋肉や筋膜の損傷を指します。
整骨院では「挫傷」と呼ばれるものです。
おそらくギックリ腰と呼ばれている中で一番多いのが筋膜性腰痛ではないかと思います。
傾向として前屈すると痛い方が多く、前屈で筋肉が伸ばされ、痛みを誘発しているのでは?と考えています。
なので、草むしり・掃除機をかける・前かがみで荷物を持つ・くしゃみなど
前にかがむ動きが、筋膜性腰痛を発症するキッカケとなります。
ギックリ腰の概念
そもそもギックリ腰は、正式な診断名ではありません。
ギックリ腰は学術用語ではなく俗語である、という事です。
この事から、正式な診断書でギックリ腰と記載されることは、ありません。
明確な概念がないので、『脊柱脊髄用語事典』からご説明いたします。
急性腰痛症の項目の中に『いわゆるギックリ腰』という記載があります。
日本ではその急性腰痛症の定義として、
『急激に発症した腰痛の総称で、原因は種々ある。椎間関節、仙腸関節の捻挫あるいは腰背筋や脊柱靭帯の断裂により発生する。
神経症状はみられない』とされています。
要するに腰回りの関節の捻挫、筋肉の挫傷でシビレは無いよ、という感じでしょうか。
ちなみにアメリカでは、
『3か月以内に生じた腰痛または腰椎に由来する症状により活動ができない状態』
となっていて、その強い痛みから魔女の一撃なんて呼ばれているのだとか。
ギックリ腰じゃない腰痛って?
ここまで読んで仙腸関節炎とも筋膜性でもないかも、という方もいるかもしれません。
先ほど述べた「急性腰痛症」をもっと正確に言うと
腰仙部、臀部、大腿部の痛みで健康である患者の腰痛に絞ったもので、
予後が良く、90%が6週間以内に急性発作から回復されるとしているものを『非特異的急性腰痛』と呼びます。
ギックリ腰、めちゃくちゃ痛いんですが確かに6週間ずっとめちゃくちゃ痛いということはないですよね。
その『非特異的急性腰痛』を細かく分類してみましょう。
『非特異的急性腰痛』の分類
腰痛症の患者さんは全国に約2800万人から3000万人いると報告されています。
それらの腰痛は、何かしらの器質的な問題があるもの(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎分離すべり症など)と
原因がよくわからないものとに分類されていました。
実はギックリ腰は欧米の論文をもとに85%が非特異的腰痛、その原因がよくわからないものといわれていましたが、近年、その内訳として、
・椎間関節性…22%
・筋筋膜性…18%
・椎間板性…13%
・狭窄症…11%
・椎間板ヘルニア…7%
・仙腸関節性6%
となり、本当に原因の分からない非特異的急性腰痛は22%まで減りました。
腰痛との付き合い方
あなたの腰痛がギックリ腰であった場合、90%が6週間以内に急激な痛みを取ることができますし、
仙腸関節炎や筋膜性腰痛はjoyplus.鍼灸整骨院で効果的な治療を行うことができます。
ですが内訳にある椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の場合は神経症状を伴うため、私は早期に病院に行くよう勧めます。
このブログを読んでギックリ腰という腰痛に少し自信が持てたとしても、やはり完全ではありません。
過去のブログで腰痛関係をこちら↓
https://joyplus.co.jp/archives/category/koshi
にまとめておきますので、より深く学んでいただけたらと思います。
そのうえで「これは病院に行くべきって書いてある症状かも」と不安になったときはどうか一度ご相談ください。