ストレートネックとは?スマホ首の原因と改善方法を解説
こんにちは。joyplus.の溝端正和です。
今回は、パソコンやスマートフォンの普及により急増している「ストレートネック」についてお伝えしたいと思います。
また、ストレートネック改善のためのストレッチ方法も併せてお伝えしていきたいと思います。
今回の記事を読んでいただき、ストレートネックの改善や正しい姿勢を手に入れるお手伝いが出来れば幸いです。
目次
ストレートネックとは
ストレートネック(スマホ首)とはその名の通り、首の骨がまっすぐに近づいている状態を意味します。
人間の頚椎は7つの椎体によって構成されていますが、本来であれば緩やかに前弯しています。そのアーチ構造によって、頭の重さを支えることができるわけです。
背骨の前後の湾曲を、生理的湾曲・S字カーブといいます。
何のためにS字にカーブを描いているかというと、重い頭部を支える体重や重力を分散するためです。力が背骨の一点にかかっては危ないので、きれいな湾曲を描き分散しているのです。
ですから、なんらかの原因で生理的カーブが崩れると、力の分散がうまくいかず一点に負担がかかるようになります。
背骨と背骨の間には椎間板と呼ばれる軟骨があり、これもクッションの役割をしています。健全なS字カーブと椎間板とで私たちは多少の衝撃にも無事でいられるのです。
しかしストレートネックになると、通常よりも顔の位置が前に出てしまいます。
頚椎がまっすぐになってしまうと、力のバランスが崩れ、首や肩の筋肉に負担が掛かり、血液の流れや神経の流れを阻害して、肩や首のこりや痛み、頭痛やめまいなどの原因になると言われています。
また脊柱は自律神経が走行しておりますので、生理的湾曲の異常は心身の恒常性を保っている機能を乱だし、様々な不定愁訴の要因となります。
ストレートネックの原因とは
ストレートネックになる原因を3つに分けてお伝えしていきたいと思います。
スマホの見過ぎ
私たちの頭は4~5㎏程度の重さがあるとされ、重力の影響で首には常に負荷がかかることとなります。
この程度の負荷による筋緊張であれば、一晩休むことで回復が期待できます。
ところが、顔を前に傾ける角度が大きくなるにつれ、首にかかる負荷も増していきます。
仮に顔を前に30度傾けた場合、首にかかる負荷はおよそ18㎏にまで跳ね上がります。
このような状態が続くことで首の筋肉が緊張し、硬くなった筋肉によって頚椎が引っ張られ、徐々に首の骨がまっすぐになっていってしまうのです。
視力低下での原因
パソコンやスマホの画面を見る際、視力が低下してくると、必然的に画面へ顔を近づけることとなります。
その結果、ストレートネックのリスクが増すこととなります。
骨盤後傾での原因
長時間のデスクワークなどにより骨盤が後傾すると、姿勢が猫背気味になります。
骨盤が後傾するとバランスをとるため、顔の位置が前へスライドします。
その結果、ストレートネックのリスクが増します。
ストレートネックの症状
ストレートネックに起因する痛みの症状は、”頭を後ろに反らしたり、左右に首を回したりすると
痛い”、または”こめかみの周り辺に偏頭痛が出る”など比較的、頭頚部・肩に集中して多く見られます。
また、痛くない場合でも、首を動かすとギシギシ音がするや首や肩こりがひどい。
そのほか全身の症状では“背中、腰の痛みや筋肉の張り感、目が疲れ易い、めまいがしてふらつく、寝つきが悪い、自律神経症状など様々な身体の不調や悩み症状を訴える患者さんがいます。
このようにストレートネックは、体全体に大きな悪影響を及ぼすものです。
ストレートネックは猫背の人に多い
ストレートネックの方の多くは、猫背の傾向にあります。
猫背の方は手・腕が体幹の前方にあるので両肩が前方に入り込み、顔(顎)が前に出ている状態です。
本来、人間の脊柱は横から見るとS字の状態になっています。二足歩行をしない犬・猫・サルなどは脊柱の湾曲はありませんが、二足歩行の人間には湾曲があります。
ストレートネックや猫背になると、この湾曲に変化が起こります。
先に述べた頭・首・肩など体の上部の症状だけでなく、体の重心線が変わることによって、体の上部(頭・首・肩)や背中(肩甲骨のあたり)にも負荷がかかり、腰痛など全身に様々な症状が出てきます。
当然、体を支える関節部分や筋肉に負担がかかるため、コリや痛みも生じます。
ストレートネックにならないための予防法とは
いったんストレートネックになってしまうと、改善するまでにとても時間がかかってしまいます。
そのため、普段から予防策を講じることが重要となります。
正しい姿勢を保つ
ストレートネックの多くは日常生活における不良姿勢によってもたらされるため、正しい姿勢を保つことが重要となります。
そこで、シーン別の正しい姿勢について解説したいと思います。
スマホ使用時
スマホをのぞき込むように下を向くことでストレートネックの発症リスクが増すため、スマホを見る時には、なるべく腕を上げ、前を見るように意識しましょう。
PC使用時の姿勢
パソコンを使う時には、画面の位置と肘および股関節、膝関節の角度を意識することが重要です。
最初に、両足の裏がしっかりと地面につくよう椅子の高さを調節します。
膝および股関節を90度に曲げた状態で、モニターがなるべく正面に来るようにしましょう。
背筋を伸ばし、肘関節は90度以上になるよう、肩に力が入らないポジションを探しましょう。
睡眠時の姿勢
健康な人は一晩に平均して20回から25回寝返りを打つとされているため、寝る時の姿勢に関してはそれほど神経質になることはありません。
ただ、寝返りを妨げることがない寝具を選びましょう。
ストレートネックの予防のためのストレッチ
各筋肉のストレッチを行うことで、首や肩の緊張が緩和され痛みの軽減に繋がります。さらに正しい姿勢を取りやすくなりストレートネックの改善に繋がります。
大胸筋・小胸筋ストレッチ
大胸筋・小胸筋は肩甲骨を外転させ肩を内巻きにします。そうなることで猫背になり首や背中の筋肉を持続的に伸長させ、筋肉の疲労が高まってしまいます。
① タオルを筒状にし(バスタオルで2枚分程度)縦に置きます。
② 脊柱に当たるように仰向けに寝ます。
③ 両手を大きく大の字に広げます。
④ その状態で呼吸を止めずに1分キープし胸の前を伸ばします。
⑤ 徐々に腕の角度を挙げていき胸の伸びる位置を変えていきます。
広背筋ストレッチ
広背筋は背中の筋肉の1つで肩を内巻きにさせる働きがあります。
① 両手を上げ、左の肘を曲げ、右手で肘を頭の後ろでつかみます。
② 体を右側に真っすぐ倒します。
③ 呼吸を止めずに30秒キープします。
④ 反対側も同様に行います。
斜角筋と僧帽筋のストレッチ
斜角筋は首の横に位置し、首を傾ける働きがあります。僧帽筋は上部、中部、下部線維の3つに分かれています。
僧帽筋上部線維は肩をすくめる動作に、僧帽筋中部線維は肩甲骨を内側へ、僧帽筋下部線維は肩甲骨を下方へ動かす時に働きます。
ストレートネックになると斜角筋と僧帽筋上部線維が緊張し、僧帽筋中部線維や下部線維は働きにくくなります。
① 右側頭部に左手を当てます。
② 手の重みを利用してゆっくりと左側へ首を傾けていきます。
③ 呼吸を止めずに30秒キープします。
④ 次に右側頭部の手をやや後ろに変え、左斜め前に倒します。右後方の筋肉をゆっくり伸ばします。
⑤ 呼吸を止めずに30秒キープします。
⑥ 反対側も同様に行います。
正しい姿勢を保つでストレートネックのリスクを減らしましょう
さて今回はストレートネックの原因や病態からストレッチまでをお話ししましたがいかがだったでしょうか?
スマホやパソコンで仕事をしたり動画を観たりゲームをすると、時間を忘れてしまうこともあると思います。
しかしストレートネックのリスクを減らすためにも、日頃から正しい姿勢を意識し、しっかりストレッチを行いましょう。