腰痛とサーフィンの関係は?サーフィン腰痛の原因と改善法を解説
東京五輪で正式種目として採用され、五十嵐カノア選手、都筑有夢路選手がメダルを獲得するなど、盛り上がりをみせたサーフィン。
彼らの姿を観て、サーフィンを始められた方。 また、長年に亘って愛好されている方もこんなお悩みはありませんか……?
パドリングのときに必ず腰が痛くなる…
最近、仕事や家で休んでいるときにも腰が痛む…
心当たりのある方、もしかしたら大事な「ある部分」がちゃんと使えてないかもしれません!!
そんな、サーファーの方にとって避けては通れない、パドリングの時の腰の痛み~「サーフィン腰痛」の要因と予防・改善方法を分かりやすくお話ししていきます。
また、サーフィンをしたことがなくても、こんなお悩みの方にもおススメの内容となっています。
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反り腰の(腰が反っていると言われたことのある)方
ぽっこりお腹でお悩みの方など。。。
今回の大きなあらすじとしては2つ!!
①なぜ腰が痛くなる?「サーフィン腰痛」が起きる要因を身体の構造から徹底解説!
②「サーフィン腰痛」に効果的♬ 自宅でもできる簡単セルフケア
2つのテーマに分けて、ご紹介していきます。
最後までお読みいただき、腰痛に悩まされない快適なサーフィンライフをゲットしましょう!!
なぜ腰が痛くなる?
サーフィン腰痛の特徴
サーファーの多くが、経験する腰の痛み「サーフィン腰痛」ですが、これは他のスポーツとは異なるサーフィンの特徴に大きく関係しています。
主な特徴として
・海の中に長時間いる
・静止している状態(波待ち)や、うつ伏せでの運動(パドリング)を行っている時間が長い
・テイクオフ時の素早い動作 などがあります。
サーフィンでは、実際に波に乗っている(ライド)時間は、海に入っている全体の4~5%といわれており、それ以外の時間はほぼ、波待ちやパドリングに費やされています。(森山 剛、下田 健一朗、繩井 清志(2005)サーフィン障害の実態調査)
そして、特にパドリングをしているときに「お腹」と「背中」が上手くはたらいていないと「サーフィン腰痛」になりやすいのです!!
簡単にお伝えすると、この2つの部分が機能しないと腰を反らしやすくなってしまい、「サーフィン腰痛」を起こす可能性が高くなってしまうのです…。
では、なぜ「お腹」と「背中」が使えないと腰が反らしやすくなるのかを、解剖学を交えながら解説していきましょう。
腰を反りやすいのはお腹のせい?!~腹圧のお話し~
サーフィンでは、ライディング(波に乗ること)をするための波を探したり、進行方向をチェックしながらパドリングを行うので、常にサーフボードから頭を挙げ、身体を反らさなければいけません。
この時に、しっかりと「背中」を反らすことができれば、問題はないのですが「お腹」のある機能がはたらいていないと、背中よりも先に腰の方が反ってしまい、「サーフィン腰痛」の要因となってしまうのです。
そのお腹の機能というのが、「腹圧(ふくあつ)」というものです。
「腹圧」とは、腹部にかかる圧力のことで、正式には腹腔内圧(ふくくうないあつ)と呼びます。
腹部には、胃や腸などの内臓を納める「腹腔(ふくくう)」という筒状の空間があります。
この空間は、上部は横隔膜(おうかくまく)、下部は骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)、側面を腹横筋(ふくおうきん)や脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)などで構成されています。
これらの筋が収縮すると腹圧が高まります。腹圧が正常にコントロールできていると、腰部の安定性が高くなり、腰椎(ようつい)が過剰に動くことはありません。
つまり、腹圧がしっかりとはたらいている≒腰が反りにくくなる→「サーフィン腰痛」になりにくいということです!!
ここまでお読みになって、「じゃあ、腰じゃなくてどこを動かすんだよっ!?」と思われたでしょう…。
そこで活躍するのが「背中」の胸椎(きょうつい)です!
それでは次に、「サーフィン腰痛」で大切な「背中」=胸椎のお話をしていきましょう。
なぜ、人は腰をそらしたがるのか…~背中=胸椎のお話し~
人間の背骨=脊柱(せきちゅう)は、椎骨(ついこつ)と呼ばれる小さな骨が、積み木のように重なって構成されています。
その中でも12個と、一番椎骨の数が多い胸椎部分……実は、身体を反らすこと(伸展)が得意な部位なんです。
(腰骨(腰椎ようつい)の伸展角度は約15°、胸椎の伸展角度は約20~25°です。)
「え!?じゃあ、なんで背中より先に腰が反っちゃうんだよ?」と、思われた方は鋭いっ!!
そこで、登場するのが先程ご紹介した「腹圧」のお話しにつながるのです。
人間の身体は、柔軟性(やわらかさ)がある部分から動こうとする性質があります。
「腹圧」が高い状態でパドリングをしたとき
腰部の安定性は「腹圧」によって増加するため、柔軟性は腰椎<胸椎という関係になり、胸椎→腰椎という腰に負担の掛からない理想的な動きになります。
逆に「腹圧」が低い状態でパドリングを行うと、柔軟性は腰椎>胸椎となり、腰椎が胸椎より先に反りやすくなってしまい「サーフィン腰痛」を引き起こしてしまうのです!!
「サーフィン腰痛」から解放されるには、「腹圧」と「胸椎」のコントロールが重要になってくるのです。
それでは、次に「腹圧」をコントロールする為に、必要不可欠な「横隔膜」のお話しをしていきます。
「横隔膜」を制する者は、「腹圧」を制する!!~横隔膜の話し~
「腹圧」の重要性がお分かりいただけたところで、次にその「腹圧」に大きく関係する横隔膜のお話しをしていきます。
このあとご紹介するエクササイズの前に、横隔膜のことを知っていると知らないでは、その効果に差が出ます!
「腹圧」のところでお話しましたが、腹腔とは多くを筋肉で覆われた筒状の空間です。
この腹腔という空間を仮に、空気の入った缶だとします。
そうすると、横隔膜は位置的に缶のフタの役割をすることになります。
息を吸うときにフタである横隔膜は収縮して、お腹側に下がる動きをします。
※あまり知られていませんが、横隔膜も筋肉なので自分で動かすことができます!
そうすると腹腔内の空気は圧縮される形となり、「腹圧」が高い状態となります。
また、同時に横隔膜は肋骨を横に広げて缶の太さを大きくしてくれる役割もあります。
しかし、横隔膜がしっかりと働かないとフタが半開きの状態になり、缶の中の空気が抜けやすくなります。
この空気が抜けているような状態は「腹圧」が低いということであり、「サーフィン腰痛」の要因となっているのです。
横隔膜の2つの動きが腹腔の圧力-「腹圧」を高めることに大きく関わっているのです。
すなわち、「腹圧」を高める≒横隔膜をコントロールするということなんです!
それでは、「腹圧」のエクササイズを行っていきましょう!!
「サーフィン腰痛」に効果的!!~腹圧・胸椎エクササイズ~
ここまでの内容で、サーフィンを楽しむにあたって、「腹圧」と「胸椎」がいかに大切かが、お分かりいただけたと思います。
それでは、ここからは「腹圧」と「胸椎」をコントロールするための簡単エクササイズをご紹介していきます。
ご紹介するエクササイズは、反り腰の方や慢性的に腰痛をお持ちの方にも有効なものですので、ぜひ、日常生活の中でルーティーンとして取り入れてみてください!
まず、最初は「腹圧」をコントロールするエクササイズからいきましょう♪
どこでも出来る♬「腹圧」を高める横隔膜エクササイズ
それでは「腹圧」を高める、横隔膜の動きを改善するエクササイズをご紹介していきます。
横隔膜の動きを意識するエクササイズ その1
①仰向けに寝た状態で両膝を90°位に立てます。
②胸とお腹の上に軽く手を置いて、深呼吸をします。
③息を吸うときに、胸とお腹を同時に膨らませて、吐くときは同時に凹ませていきます。
④息は、3秒間吸って、吐くときは6秒~8秒かけて最後まで息を吐き切りましょう。
注:胸、お腹、どちらか片方だけを膨らませたり凹ませたりしないようにしましょう。
横隔膜の動きを意識するエクササイズ その2
①仰向けに寝た状態で両膝を90°位に立てます。
②脇腹付近の肋骨に両手を添えて、深呼吸をする。
③肋骨が横に膨らむ意識で息を吸っていく。
吐くときは、おへそに向かって肋骨が下がっていくように意識して行う。
④息は、3秒間吸って、吐くときは6秒~8秒かけて最後まで息を吐き切りましょう。
各エクササイズ①~③の一連の動きを1回として、毎日10回を2~3セット行いましょう!!
では、次に胸椎の伸展を改善させるエクササイズをご紹介していきます。
これで、パドリングも楽々♬~胸椎伸展エクササイズ~
次に、「胸椎」の伸展エクササイズをご紹介していきます。
※このエクササイズは、「サーフィン腰痛」の方にとって腰が、より反る形になりやすいので、腰に痛みが出た時点で、無理をせずに中止しましょう。
①バスタオルなどを丸めて肩甲骨の少し下辺りに敷き、両膝は90度位に立てて仰向けに寝ます。
②頭の後ろで両手を組み、「腹圧」エクササイズの呼吸を行いながら、頭の上を見るように上を向きながら肘を閉じていきます。
③10~20秒ほど、②の状態をキープしたら肘を開いて目線を天井に戻します。
これを10セット程、繰り返し行いましょう。
※エクササイズ中、背中に詰まったような感覚が出れば、胸椎の伸展が出ています。
※物足りない方はストレッチポールで行ってもOKです。
より良いサーフィンライフをjoyplus.がお手伝いします
今回は、サーフィンでは必ず行わなければいけない、パドリングの際の腰痛について、お話ししていきました。
皆さまいかがでしたでしょうか?
最後まで、読んだ頂いた方に少しでもお役に立てて頂ければ幸いです。
サーフィンはパドリングだけでなく、様々な場面で腰に負担の掛かりやすいスポーツです。
また、慢性的に腰痛を抱えている方も今回お話しした、腹圧が上手くコントロールできていない場合が多いので、是非セルフケアを実践してみましょう♪
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