外反母趾が進行! 早めに知っておくべき外反母趾の基礎知識!

仕事から帰ってリビングでやっと落ち着いた20代後半女性のあるワンシーン。。。

なんだか最近足の親指(母趾)の付け根が痛いな…
あれ?母趾の角度少しおかしくない!?

なんとなく親趾が、くの字に曲がってきてる…
そんなはずない…
靴もサイズ合ってると思うし…

ちゃんとお風呂でマッサージもしてるし…
健康には人一倍気をつけてるし…

けど、まあ生活に困る程じゃないし
足先にまで気を使っていられる程暇じゃないし…

まあ、我慢出来るしいつか治るかな!?
まだ普通に生活出来るしもう少し様子見よ〜! 

そう感じていても、人に相談できない人は意外と多いものです。

自分では大丈夫と思っていても、すでに外反母趾になっていたり、進行していたりすることもあります。

外反母趾は、初期の対応が非常に重要なので今回は、外反母趾の対処方法や基礎知識を二部制で解説していきます。

まず外反母趾にかかわる足の構造を知ろう

冒頭でも少し説明していますが外反母趾の「趾」は手の指とは漢字が違い、足の趾(ゆび)事を指します。

語源は「止」や「足跡(あしあと)」の意味から派生してこの漢字が出来上がったと言われており、人間が足に力を入れて生活し足跡を残す事(止=あしあと を意味する)から、「止」に足辺を組み合わせた「趾」の漢字が作られたと言われています。※諸説あり

若干話がそれましたが、人間の歩行において踵で接地してから最終的には母趾で蹴りだして前に進んで行きます。

その際単純に踵から母趾へ体重移動するのではなく細かな骨のバランスやアーチと呼ばれる支えが安定的な歩行や立位を作り出しています。

その安定が崩れた結果外反母趾などの症状が発生するわけですが、一般の方でも足の構造を理解しているか否かで症状の進行具合が変わってきますので、この後少し解剖やアーチ構造に触れていきたいと思います!

足の解剖学

外反母趾を理解していく上で一般の方でも足の構造を理解しておくことが非常に重要となってきますのでここでは少し解剖学に触れようと思います。


足部(足首より先)にある骨は近い方から順に、

距骨(きょこつ)
踵骨(しょうこつ)
舟状骨(しゅうじょうこつ)
立方骨(りっぽうこつ)
楔状骨(けつじょうこつ)×️3個
中足骨(ちゅうそっこつ)×️5個
基節骨(きせつこつ)×️5個
中節骨(ちゅうせつこつ)×️4個
末節骨(まっせつこつ)×️5個 

全部合わせて26個で構成されています。

その細かい骨の間や周りを靭帯や筋肉が保護、強化する事で、立つ時や歩く時にしっかりと体重を分散させて体全体を安定させています。


また、足部は立っている間一日中全身の体重を支えているとともに、何千何万歩という歩行において骨、筋肉、靭帯が絶妙に支えあって全身の安定感を手に入れています。


特に足の1番下に位置する足底という部分は、瞬時に足の裏の情報を感じ取り脳に伝達すると共に、脳からの神経伝達により体重移動や歩行の際、瞬時に体全体のバランスを補正しています。

逆を言えば、

足部の環境が全身に影響を及ぼす

といっても大げさではなく、外反母趾や扁平足など状態の悪い足部環境があらゆる姿勢不良やそれによる肩こりや腰痛、便秘や頭痛などの内臓症状に繋がる事も十分に考えられるのです。

足のアーチ構造

足の構造でも書いたとおり、足部では26個の骨が周囲の筋肉や靭帯が保護、強化しているとともに足底の感覚により体全体のバランスを保ち、安定させています。

しかし実は、足部が体全体の荷重を受け止める仕組みにはもう一つ、

「アーチ構造」

という生理的構造が存在し、

骨・靭帯・筋肉がアーチ構造を構成する事により、足底という限られたスペースで体重という負荷を効果的に分散し、歩行する際の推進力や疲労を溜めない様に効率的に力を伝える事が出来る様になっています。


アーチには

横アーチ
内側アーチ(土踏まず)
外側アーチ

の3つのアーチから構成されていて、サイズの合っていない靴や巻き爪による痛みなどで足趾が十分に使えていなかったり、変な歩き方や立ち方になっているとアーチ構造が崩れていきます。

代表的なものでいうと、内側アーチが崩れていくと土踏まずがなくなっていく扁平足が徐々に進行してしまいます。

他には横幅が合っていない靴の使用等により横アーチが崩れた場合、開張足という状態となってしまいます。

これらのアーチ構造が破綻する事により足の構造部分で記載した内容と同様で、足部から腰部の機能低下や腰痛や膝痛など全身の症状に影響を及ぶすことになります。


この後に本題の「外反母趾」についてお話ししていきますが、外反母趾では主に内側アーチが関係しています。

扁平足とも大きく関連しますので既に扁平足をお持ちの方やご自身の足のアーチについて全く考えたことのない方は、一度立って土踏まずに手の指が十分に入る位の隙間があるか確認してみて下さい!


とてもわかりやすく説明しているサイトがありますので図と一緒にサイトもご覧下さい。 


外反母趾って?
原因や予後を知ろう

足の親指が曲がっている=「外反母趾
と単純に考えがちなのですが、実は

・親指の根本の骨(中足骨と基節骨)の角度がどれだけ曲がっているか(HV角)
  20°未満=軽度 20°〜40°=中等度 40°以上=高度
・第一中足骨と第二中足骨の間の角度がどれだけ空いているか(M1 -M2角)
  10°未満=正常

によってそれぞれ判断基準が異なります。
※各種文献により判断基準となる角度が異なる事があります。 



主に中年女性に多く見られる症状ですが、ハイヒールサンダルなど足に合っていない靴を履く機会が多い若年層の女性にも多く見られるようになってきています。


また、HV角が40°を超えるような重傷度の高い外反母趾の場合には手術適応となる事もありますので注意が必要です。

なぜ外反母趾になるの?

外反母趾の原因として生まれもって影響がある内的要因、生活習慣が大きく関わる外的要因があり、その中でも様々な要因が挙げられます。

(内的要因)
・扁平足
・開張足
・関節弛緩性(それぞれの関節が柔らか過ぎる)
などを持つ方は遺伝的な要素が関わる事も多く、比較的若年層に外反母趾が見られます。
特に扁平足や開張足は足のアーチ構造の破綻に繋がりやすく、構造的に広がった足が靴に圧迫されて外反母趾を誘発する事もあります。

(外的要因)
・ハイヒールやサンダル等の合っていない靴
・筋力低下
・体重増加

特にハイヒールによる影響は大きく、先が細くなっている構造に加えて踵部分が上がっていることにより足先に負担が大きくかかりやすい構造になっています。


それに加えて体重増加や筋力低下が重なることにより悪化の一途を辿り、アーチ構造のさらなる破綻や外反母趾の悪化へと繋がります。

外反母趾を放置していると…??

様々な要因から引き起こされる外反母趾。

「そんなに痛くないから大丈夫」
「これ以上は悪化しないでしょ…」

といってほっておいたら果たしてどうなるでしょうか…


冒頭でも述べたとおり、最悪の場合日々の生活に耐えられないほどの痛みとなり手術を選択せねばならない可能性もあります。


また足先への負担が大きくなる事によりタコやウオノメ、巻き爪や神経障害などの二次的症状が現れる可能性も十分に考えられます。


ふと足の親指に違和感を感じた時、何となく親指の向きに違和感を感じた時、その時に少しでも履いている靴や私生活に気をつけるだけで数年後の結果が大きく変わってくるかもしれません。

外反母趾の小趾ver.!?(おまけ)

ここまで足趾の親指(第一趾)が内側に曲がって変形してしまう「外反母趾」について述べてきましたが、実は小趾(第五趾)が内側に曲がってしまう症状も存在する事を皆さんご存知でしょうか? 



実は小趾側も外反母趾と同様、中足骨と基節骨の関節部分において内側に曲がってしまう事があります。

母趾側と小趾側で実際曲がる方向が違う為、小趾側では「外反」ではなく「内反」という表現となり「内反小趾」という呼び方となります。

内反小趾に関しては、ほぼ先天性(遺伝)という事はなく、後天的に変形する事が殆どと言われています。


特に靴の影響は大きく、横幅の狭い靴や先が過度に尖っている靴を履く事によって横アーチの構造が破綻して結果的に内反小趾を進行させる事になります。


さらに体重の要素も大きく関わっていて、体重増加により足部にかかる負担が増加し、アーチ構造では支えられなくなってしまう事から最終的に小趾の過剰負担の末、変形に繋がってしまいます。

また外反母趾と内反小趾は合わせて症状が出現しているケースも多く、多くの場合内反小趾が見つかった段階で外反母趾を併発しているケースが多くみられます。

外反母趾改善は、まずは知ることから

さて
今回は外反母趾の原因や病態など基礎的な要素についてお話ししましたがいかがだったでしょうか。


〜放置していると〜

の部分でタコやウオノメなどの二次的症状に繋がるケースも述べましたが、

普段から角質が固くなってきていたり、マメの症状が出てきているのであれば足部に偏った負担がかかっている可能性があり、外反母趾の初期症状である事も十分に考えられますので見逃さないようにしましょう!

次回からは今回お話しさせていただいた基礎的要素に加えて、靴選びやインソール、巻き爪との関連など普段からどんな事に気を付けたら良いか、また簡単に出来るセルフエクササイズ、手術はどうやって行うのか等、外反母趾に関係する事柄は沢山あり、次回からはそのあたりにふれていきたいと思います!

<参考文献>
・整形外科疾患ビジュアルブック 監修:落合慈之
2014年2月3日 初版 第4刷発行
・外反母趾診療ガイドライン2014改定第二版
・足趾(そくし)について
https://www.kosei-hospital.kiryu.gunma.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/colmu_202002_01.pdf

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