親指が曲がる症状?外反母趾とは part2〜対策、予防、改善の方法〜
皆さんこんにちは。joyplus.鍼灸整骨院の金澤です。
さて以前にも投稿させて頂いた外反母趾記事。
前回は、20代後半の女性を例に、骨・筋肉・腱からなる足の根っこの構造、母趾の正確な角度、刺激となる要素、母趾に関するその他の雑学を整理してみました
今回は具体的な日常からの
基本対策、予防法
また実際に発症してしまった際にどの様な治療を行うかまで深掘りしていこうと思います!
今回の記事を読んで頂くと、
・外反母趾を事前に防ぐ
・痛みが出た際の対処法
これらを知ることができるので
是非最後までご覧ください!
外反母趾の基礎おさらいと関連要素
少しおさらいをすると、26個の骨を筋肉と靭帯で保護または強化して構成されている足部。
1日何千何万歩の荷重がかかる足部において3つのアーチと足底の固有感覚によって絶妙なバランスを保ち、安定感を手に入れています。
特に足底は感覚器が張り巡らさせており、細かな体重移動やバランス異常を掴んで体全体の安定性を構築している訳ですが、同時に足底の状態が悪くなれば体全体の異常へと繋がる可能性も十分に考えられます。
中でも外反母趾は内的要因、外的要因に大別されますが、今回は私生活や普段身に付けているものにも大きく関わってくる外的要因にフォーカスしてお話ししていきましょう!
履いているものを見てみよう!
皆さんの多くは、寝る時やお風呂に入る時以外のほとんどの時間において靴下か靴を身に付けています。
家の中では好んで裸足の方も外に出る時はサンダルを履く事や、逆に家の中ではスリッパを履いている方が落ち着くという方など人によって様々です。
しかし、ハイヒールが足の健康を害することは分かっていても、
・サイズの合わない靴下
・大きすぎる靴
・つま先が露出したサンダル
などを履くと、足のアーチが弱くなり、外反母趾や偏平足などの病気を引き起こすことがあることはあまり知られていません。
ではここでは特に外反母趾に大きく影響のある
「靴選び」のポイントについて少し触れていきたいと思います!
①つま先がちゃんと合っているか
靴を履いた状態で踵をしっかりとくっつけて足先にどれだけ余裕があるかを確認しましょう!もし中敷を取り出す事が出来るのであれば一度取り出して踵を合わせてみましょう!
もし1㎝以上余裕がある場合は靴のサイズが大き過ぎます。
大き過ぎる靴を履いていると自然に靴の中で足がズレてしまい、爪を痛めてしまう原因にもなるので要注意です!
②幅や甲周りの大きさが合っているか
靴の1番幅が広い部分が足の幅と一致しているのかを確認しましょう!
正確に周計を測る事は難しいですが、靴を履いていて横幅に余裕があり過ぎる場合や、サイズがキツ過ぎる場合は足のアーチ構造の破綻に繋がりますのでこちらも要注意です…
③土踏まずが自分のアーチに合っているか
一般の方で自分の足底の形を把握している方は多くありません。
一度足を地面に付けた状態で、ご自身の土踏まずに指を入れてみましょう。
ちょうど指一本分が入れば比較的正常な土踏まずと言えます。
自身の足のアーチを確かめて頂いたら、今度はアーチが靴のアーチラインと一致しているかを確認しましょう!
中敷きが取り外せるのであれば、直接足を乗せて観察してみましょう。
下から突き上げられる感覚が強すぎたり、逆にアーチが無さすぎて浮いている状態も良くありません。
①〜③の靴選びの注意点を満たせていない靴を履いていると、過剰な負担が足部に集中してしまったり、間違った歩行に繋がり、
結果的に
外反母趾へ繋がってしまうのです。。。
☆購入する時間に注意!!!
人間の足部は朝と夕方で約5〜10㎜大きさに違いがあると言われています。
日中立つ事や歩く事による負荷、長時間の座位の影響から足が浮腫む事が原因で夕方の方が足全体が大きくなることから、夕方にサイズを測ったり、購入する事がオススメとされています!
実は足以外の部分も外反母趾に関わっている??
皆さんご存知の方もおられると思いますが、人間の足は若干X脚になっている事が通常です。
さらに女性の方が骨盤形状の影響によりX脚になりやすい性質を持っています。
過剰にX脚が進行してしまうと立位や歩行の際に、より足部の内側で体重を受け止める事となり結果的に外反母趾を助長する事に繋がってしまいます。
巻き爪と外反母趾は関連している??
巻き爪とは爪の端が内側に巻き込んだ状態になることで、多くは足の母趾に起こります。(母趾以外の指にも発生します)
巻き爪の主な原因として
①遺伝
②誤った爪の切り方
(深爪や爪の伸ばしすぎ)
③趾に正常な力が加わっていない
これらによって発生します。
特に③の状態はこれまで述べてきた外反母趾が典型例で、母趾の変形により趾を正常に曲げる事が出来なくなり、母趾へ正常な力が加わらなくなってしまいます。
その結果、母趾への正常な圧力により形を維持している爪が変形し巻き爪へと進行してしまうのです。
※つかしん院での実際の巻き爪と外反母趾の併発例
巻き爪になってしまうと痛みが走るだけではなく、姿勢や歩き方が悪くなる為に関節痛を引き起こしたり、高齢者の場合は転倒につながる危険もあります。
また、巻き爪が先に進行した結果外反母趾が発生するケースも存在します。
普段からの正確な爪切りや爪を保湿して柔らかさを保つ事で、結果的に外反母趾も予防につながりますので是非ご自身の爪を一度確認してみて下さい!
外反母趾予防で悪化を防ぐ
さて、ここまでは外反母趾を引き起こす外的要因と注意点について述べてきました。
現在外反母趾に悩んでいる方、なんとなく母趾の角度が気になっている方、少し痛みが出てきている方など抱えているお悩みはそれぞれかと思います。
重度の外反母趾になってしまっている方は、重度の変形性関節症になっている事とほぼ同意義で自主努力によって改善させる事は難しい事が考えられます。
しかし、そこまで至っていない方はしっかり予防対策する事で改善させる事、または悪化を防ぐ事が出来ますのでその方法をここからいくつか紹介したいと思います!
趾筋を鍛えよう!
外反母趾の予防対策となる筋力を鍛える事で、アーチの低下や正常な荷重が母趾にかかるようになりますので、これから紹介するトレーニングを毎日少しづつ行っていきましょう!
椅子に座るか三角座りをして床にタオルを置きます。
左右どちらか一方の足の5本の足指を全部使ってこれらをたぐり寄せ、足指でつかんで引き寄せます。
タオルを全部引き寄せたら元に戻してこれを2〜3回くりかえしましょう!
②グーチョキパー運動
左右それぞれの足趾でグー・チョキ・パーでジャンケンの形を作ります。全ての趾を握るのがグー、親指だけを上げるのがチョキ・全ての趾を広げるのがパーで、慣れてきたら順不同にジャンケンの形を作ってみて下さい!
https://www.youtube.com/watch?v=l16Yox8YFi8
ゴムバンドを両方の足の親指にかけます。(大き過ぎるゴムバンドやゴムの強度に注意)
踵を合わせたまま、足先を外側に回します。
ゴムバンドが伸びて、親指を内側に引っ張るので指は内側に引っ張られて正常な位置位近づきます。
5~10秒、この位置を保った後に足を戻して、ゴムバンドをゆるめます。これを3〜5回繰り返しましょう!
趾の可動域を確保しよう!!
筋力と平行して大切な事は趾の動く範囲です。
トレーニングを行おうとしても趾が十分に動かなければ効果は半減してしまいます。
筋力強化と一緒にしっかり可動域も確保しましょう!
①趾ストレッチ
手の指を使って母趾を広げます。
単純に上下左右も方向に広げるイメージで行いましょう!
特に内側(外反母趾と反対方向へは痛みのない範囲でしっかりとストレッチをかけましょう!2〜5趾も時間があれば同じように行うと足の疲労回復にも繋がるのでより良しです!
➁ペデキュアの道具でストレッチ
ペディキュア(足のマニキュア)を行う際に、趾を全て開いてくれる便利な道具があります!テレビを見ながらでも装着出来るので、暇があれば積極的に付けてみましょう!
寝ている間長時間つけると痛みで目が覚める場合があるので注意です!
お尻を鍛えよう!!!
途中、外反母趾を引き起こす原因としてX脚を挙げました。
X脚を簡単に紐解いていくと実は臀部(おしり)の筋力低下が原因となっている事も少なくありません。
特にハイヒールなどを履いている方は常に膝が曲がっている為に臀筋がそもそも使いにくくなっていることが多いです。
デスクワークで歩行数が少ない方は単純に筋力低下しているなど要因は様々ですが、臀筋の筋力不足によって様々な体の異常を引き起こしている事は事実であり外反母趾もその一つです。
そこでいくつか効果的な臀筋エクササイズを紹介しますので、こちらも根気強く日々行っていきましょう!
①ヒップリフト
1.仰向けに寝て、膝を90度に立てる。
2.肩・腰・膝が一直線になるように、床から腰を持ち上げる。
②中臀筋トレーニング
1.立った状態で真っ直ぐ姿勢を保つ
2.片方の足を軸足にして、もう片方を横にあげる
※立位が出来ない方は側臥位でもOK
外反母趾で痛みがあったら
ここまで外反母趾の外的要因に対する予防策や防止する為のトレーニングを紹介してきました。
ただ忙しく過ごす毎日の中で意識的にトレーニングを行う事や注意し続ける事は中々難しく、痛みがあってもほったらかしにしてしまう事や後回しにしてしまう方も数多くおられます。
勿論、何もしなくても悪化を免れる方もおられますが殆どの方は、外反母趾由来の痛みや関連する筋肉の痛み、タコやウオノメなどの二次的症状に悩まされています。
ここでは最終的に痛みが取れい場合やこれ以上悪化を防ぐ為にどんな事が出来るのか、という部分に触れていきたいと思います!
保存療法その1
インソール
※保存療法
体を傷付けず
(出血させず)に
治療する事
外反母趾の保存療法として最もポピュラーなのは足底板(インソール)を用いた治療法です。
靴の中で足底部にインソールを入れる事によって潰れてしまったアーチを支えて足の形状を矯正するものです。
しかし、一人ひとりの足の形状は外反母趾や扁平足など状況が違いますので、それぞれに合ったインソールを作成する事が非常に重要です。
また、外反母趾に対するインソール効果は進行予防やアーチ矯正が主になるので、効果が現れるまでに時間がかかる事と予防エクササイズやストレッチを平行して行う事もある程度必要となってきます。
保存療法その2
対外衝撃波治療
or
電気療法
外反母趾の痛みを今すぐ少しでも和らげたい、改善したい!という方は最新機器でもある対外衝撃波、ハイボルテージなどの電気療法がオススメです。
簡単にそれぞれの機器を説明します。
・対外衝撃波…圧力波で痛みを感じる末梢神経に刺激を与えて痛みを取り除く効果と細胞が再構築を繰り返して治癒を促進させます。
痛みを感じる細胞に直接アプローチするので、治療終了時には疼痛が大幅に改善します。
・電気療法(ハイボルテージ)…高電圧電流による電流刺激を、皮膚に抵抗を与えずに深部組織まで到達させて直接患部の炎症の抑制、痛みの軽減、治癒力の促進させる事が出来ます。
身体の奥深い患部への直接のアプローチができるため、非常に高い鎮痛効果と即効性が望めます。
保存療法その1と同様、これらの電気療法と合わせて予防的なエクササイズやストレッチを行う事が大切です!
手術療法は最終手段
ここまでお話ししてきた普段身に付けている物への注意やトレーニング、適切な保存療法を試みてみたけれど、中々症状の改善が得られない場合の最終的な治療法として手術療法があります。
軟部組織矯正術や骨切り術、関節固定術や形成術など数多くの手術方法がありますが、昨今では局所麻酔で日帰り手術も可能になってきています。
しかし手術の種類は100種類を超えるとも言われることから、症状は多種多様にあり治癒させる事が難しい疾患であると言えます。
痛みや違和感がある場合は、まず相談
さて2回にわたって外反母趾についての内容を書きましたが、いかがだったでしょうか。
足の症状は見えにくい部分であることから中々人に相談しにくく、症状を先延ばしにしたりごまかしながら生活している方が多くみられます。
そして、我々にご相談される時には重症化していたり、外反母趾に加えて巻き爪やマメなどが併発してしまっているケースもあります。
「あれ?なんだか形がおかしいな?」
「最近少し痛いな…」など
少しでも気になる事やお悩みを感じた時は、症状が出始めているサインかもしれません。。。
joyplus.では今回の記事でお話しましたハイボルテージ療法や対外衝撃波、インソールやトレーニング方法の指導など様々なアプローチが出来ますので、お悩みやお困りがある方は是非お近くのjoyplus.院をおたずね下さい♪
※店舗によって、置いている機器が異なります。