正体不明の体調不良 | 東洋医学で自分の身体をタイプ別診断

ここ最近漠然と体調が悪い

肩こりとは2~30年の付き合い

夏でも指先は冷たい

そういう体の不調を「検査ではどこも悪いところがない」からといって我慢して過ごしていませんか?

今回は、最近日本酒が美味しいと思うようになった鍼灸師歴18年の明舞院院長清水が、

そういった体のちょっとした異変に対応できる「東洋医学の考え方」について書いていきたいと思います。

このブログを最後まで読んで頂くことによって東洋医学の基本を学んで頂く事で、

正体不明な体の不調』に対し自分の体に何が起こっているのかを知る手助けができると思います。


まだ検査結果には出ていないものの、放っておけば大きな病気に繋がることも有りえる小さな体の変化に一緒に向き合ってきましょう!

『未病』という考え方

東洋医学には「未病先方-病気になる前に防ぐ」という考え方があります。


前述した「肩こりがつらい」「末端が冷える」などの『健康ともいえないが、病気ともいえない』状態はこの未病に当たります。


ほかに「不眠」「イライラ」「頭痛」「めまい」「胃腸の不調」など病院で検査をしても異常がない場合「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれます。

未病や不定愁訴を解消することは病気になるのを防ぐことに繋がります。

東洋医学における未病の改善方法

東洋医学ではまず自分の体質を見極めることが第一歩となります。


そのためにまず『五行学説』という考え方について解説していきます。

五行とは自然界の事象を『木』『火』『土』『金』『水』の五元素に分類し、あらゆるものをこの5つに当てはめます。


これらが互いに作用してバランスを取り合うことで心身の健康が保たれると考えます。

五行の考え

五行はそれぞれ次のような要素を持っています。

→草木が芽を出し、万物が生じる春を象徴しています。

→火が燃えている様で、万物が長じる夏を象徴しています。

→万物を育てる大地を意味し、四季のすべてに関りを持っています。

→堅くて鋭い金属を意味するとともに、季節は秋で収穫を表します。

→流れる水を表し。地の中で万物を産み出す源になります。冬を象徴しています。

東洋医学では。内臓のうち中身が詰まっている主要な五つの臓器を「五臓」と言います。

木→肝 火→心 土→脾 金→肺 水→腎
にそれぞれ対応しますが、西洋医学での実際の臓器とはイコールではありません。


例えば脾は脾臓ではなく膵臓機能のことを指すことが多く、腎は生殖系統も司ります。

あなたの体質を実際に当てはめてみましょう!

それだけではイメージがなかなかしにくいですよね?


ここからはチェックリスト形式で、あなたの体質が何タイプか分けていきましょう。

とはいえ、体質は一人一つとも限りませんし、季節や体調によっても変化します。


あくまでも『今』のタイプとして選んでみてください。
チェックが一番多いものが、あなたのタイプになります。

『肝』タイプ

ストレスが原因で体調を崩す
□貧血・めまいを起こす
イライラして怒りっぽい
□突然悲しくなり涙がでる
□酸っぱいものが好き
目が疲れやすく視力が良くない
□爪が欠けやすく、縦に線が入っている
□脚がつりやすい
□五月病になる
□肩や首がよく凝る
□月経痛がある

『心』タイプ

動悸息切れがある
□もの忘れがひどい
□興奮しやすい
□いつも不安感がある
少しの運動で汗をかく
□手足が冷える
□シミやくすみが気になる
□口内炎が舌にできる
顔が赤くほてりやすい
□暑がり
□寝つきが悪い

『脾』タイプ

□よく胃が痛くなる
下痢または便秘になりやすい
甘いものが好き
□小さなことでも悩みやすい
□外食が多く暴飲暴食になりやすい
□皮膚の色が黄色っぽい
□手足がだるい
雨の日に体調が悪くなる
□顔のたるみが気になる
□食欲がある時と無い時の差が激しい

『肺』タイプ

がでやすい
□アレルギーがある
乾燥肌
□色白
□辛い物が好き
鼻水がよく出る
□髪に艶がない
□季節の変わり目に風邪をひきやすい
□皺が気になる
□疲れやすい
□喉が痛くなりやすい

『腎』タイプ

□手足や顔がほてる
足腰がだるい
□気が小さい
塩辛いものが好き
□風邪などが治りにくい
抜け毛、白髪が多い
□虫歯が多い
□冷え性
□老けて見られる
□骨が弱い
□トイレが近い

各タイプの解説

さて、それぞれいくつチェックが入りましたでしょうか。


チェックの数が多いほど、その体質タイプの傾向を多く持っていることになります。
どれもいっぱい?


実は、ほとんどの人が2つ以上のタイプを併せ持っています。


沢山ある人は今から解説するすべてのタイプに一度目を通してみてください。

『肝』に一番チェックが多かったあなた。

五行の『木』は五臓ならば『肝』にあたることは前述しましたが、季節でいうと春に当たります。


春は「この芽どき」ともいい、精神不安を起こしやすい季節で肝と関係する疾患が起きやすくなると東洋医学では考えます。


西洋医学でいう『肝臓』とは意味合いが異なるため、五行の中の一つのタイプとして捉えてもらえたらと思います。

五行でいう『肝』は「気」や「血」を体内に巡らせる働きがあります。

血を貯蔵する場所なので、肝の血が不足すると筋肉が引きつる、痙攣するなどの症状が出ます。

更に、五行の『木』は『目』にあたるため、肝は目の働きと関係が深いとされています。


肝が弱ると目が痛む、目が充血する、視力が減退するなどの症状が現れ、眼精疲労、ドライアイを起こすこともあります。

肝にチェックが多かった方はゆっくりと良い睡眠を取ることをまず心がけてください。


睡眠に関しては過去に私が書いた記事を参考にしていただけたらと思います。
https://joyplus.co.jp/archives/1348

『心』に一番チェックが多かったあなた。

五行における「心」は『君主の官、五臓の首』と呼ばれ五臓の中で最高位を占めています。

他の臓器に血を循環させて、生命活動を維持していると考えられています。

そして感情や思考、感覚など様々な精神的な活動を統括しているため、「心」が弱ると動悸、不眠、息苦しさ、不安感などを起こすと言われています。

木が目を司っていたように、火は「舌」の働きと関係が深いです。


「心」に異常があれば味覚が分からなくなったり、舌に口内炎ができることがあります。

季節では夏にあたる『火』ですが、一日のうちでは太陽の一番高い昼間に症状が出やすいのも特徴の一つです。

「心」タイプの方はこころの繊細さが体調に出やすい傾向にあります。


肝と同様、睡眠を十分にとって心の消耗を防ぐこと、そして夏バテや熱中症に気を付けて、暑さ対策をしっかりと行っていきましょう!

『脾』に一番チェックが多かったあなた。

『脾』を語るうえで東洋医学で重要な言葉に「後天の気」というものがあります。


後天の気は、食べ物などから自ら得たエネルギーのことです。


この「後天の気」を作り出す「脾」は飲食物を入れる場所であり、その栄養を全身に与える働きをすると言われています。


これは、飲食物の消化吸収はすべて「脾」が支配していることを意味します。


脾が弱ると食欲不振や胃のもたれ、下痢などの不調が現れやすいとされています。

そして脾には「血を統べる」という役割があり、この働きが弱ると鼻血が出やすかったり経血量が多くなったりします。

「脾は燥を好み湿を嫌う」ということで梅雨から夏にかけて症状が出やすいと言われています。


夏に冷たいものを取りすぎると胃腸が弱ってしますので、「脾」タイプの方は体の中から冷やさないよう心がけてみてください。


更に五行でいう「土」は味でいう「甘」を司ります。甘いものの取りすぎには気を付けましょう。

『肺』に一番チェックが多かったあなた。

『肺』は上位の器官である『心』を助け、その他の器官を統率する役割を持っています。


呼吸機能ばかりでなく、皮膚、鼻、咽、血管の運動神経の働きまで担うとされています。

その他、汗を出したり、体に侵入した悪いものを追い出したり、水の代謝を円滑に行うという役目も持っています。


そのため、肺は衰えると風邪を引きやすくなったり、汗が出ないむくむなどの症状が出ます。

五行の『金』は、皮毛を司ります。皮毛は体の表面の事で、これが正常でなくなると皮膚がかゆい、皮膚が乾燥するなどの症状も出やすくなります。

「肺」タイプの方は辛い食べ物を好む傾向にありますが、食べ過ぎると肺がうるおい不足となり皮膚が乾燥したり咳がでやすくなると言われています。


皮膚のトラブルの改善には時間がかかるので、空気の綺麗な場所で定期的にリフレッシュする時間を作るなどの工夫をしてみてください。

『腎』に一番チェックが多かったあなた。

『腎』は精を蔵す、と言います。

精とは両親から受け継いだ「先天の気」と食べ物などから得る「後天の気」が一緒になったもので、成長や発育に関わります。


これを「腎精」とも呼び、腎精が少なくなると老化が始まると言われています。

腎は現代医学の腎臓と同様、尿を作って排泄する働きもあります。
この働きが衰えるとむくみなどの症状が出ます。

五行における『水』は骨を司りますので、この働きが落ちると骨が脆くなる腰が曲がるなどの症状がでることもあります。

腎タイプの方は塩辛いものを好む傾向がありますが、塩分の取りすぎは水分代謝の異常を引き起こします。


『水』は黒色に対応しているため、塩分は昆布やわかめなどの黒い海藻類で取ることをお勧めします。

腎の症状は慢性疾患が多いので、気長に体調を整えていきましょう。

東洋医学でもっと自分の状態を知ろう!

今回紹介したのはあくまで五行でのタイプ、東洋医学のほんのさわりの部分です。


次回はそのタイプを例に挙げて改善方法をより詳しく掘り下げていきます!


それでも、少しでも正体不明の不調に対し当てはまるものがあれば幸いです。

joyplus.鍼灸整骨院グループでは、東洋医学の治療法を用いた
「長く悩んでいる体の不調」
に対する鍼灸治療が始まっています。

今回のブログを読んで気になった方は、ぜひお近くのjoyplus.で鍼灸師に相談してみてください!

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